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8月からフル生産へ

日本ゼオンが水島工場で「SIS」「COP」の増強完了

原材料 2016-07-18

SIS工場

SIS工場


 日本ゼオンは7月11―12日、水島工場(岡山県倉敷市)で行っていた熱可塑性エラストマー(SIS・製品名Quintac)と熱可塑性透明樹脂シクロオレフィンポリマー(COP・製品名ZEONEX、ZEONOR)の増強工事が完工したことに伴い、各々竣工式を開催した。増強により、生産能力はSISが年4万2000トンから同6万トンに、COPが同3万1000トンから同3万7000トンに拡大。それぞれ月内まで試運転を行い、8月にはフル稼働にする計画だ。

 12日、同工場内の統合生産センターで会見した古河直純会長は、「当社の歴史の中でも、2日間にわたって生産設備増強の完工・竣工式を執り行ったのは初めて。粘・接着剤の主原料となるSISは、世界第2位の地位を確保しており、今後もユーザーの利点となる新規開発品の投入と世界市場で年率5―6%ある伸びに対応していきたい。

 一方、COPについても液晶の大画面化には優位性を出しており、その生産性を重視した」と増設の狙いを語った。

 増強への投資額は明らかにしていないが、「両方で100億円を超える規模」(古河直純会長)。また、SISは増強分も含め、60億円規模の売り上げを見込む。

 水島工場は世界トップのC5総合利用工場として知られ、合成ゴム、化成品、化学品、高機能性樹脂などを製造している。「水島工場は、敷地的にはまだ少しは余裕があり、今後も新規・新分野に提供できる素材開発は積極的に進めていく方針」(同)だ。

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