PAGE TOP

断熱・保温材や基板などへの展開を期待

日本ゼオン、耐熱・耐圧マイクロ中空粒子を新開発

原材料 2022-12-05

 日本ゼオンは、新たに耐熱・耐圧マイクロ中空粒子を開発した。

 今回開発した耐熱・耐圧マイクロ中空粒子は粒子径が2~20マイクロメートルで、空隙率は60~80%に制御が可能な白色粒子。中空粒子のシェルは架橋構造のポリマーから構成されており、次の3つの特長を有している。

 ①形状維持が可能=ポリマー自体が耐熱性、耐圧性、耐溶剤性を有しているため、各種成形法や熱硬化性樹脂中でも中空形状の維持が可能。

 ②小粒径でシャープな粒子径分布=中心粒子径を2~20マイクロメートルで制御可能、かつシャープな粒子径分布。

 ③低比重=空隙率60~80%の空気層を制御可能。シェルが樹脂のため、無機系に比べ低比重。

 これらの特長から、各種構造部材の軽量化への貢献に加え、ダクト、ホース、建材等の断熱・保温材としての用途展開が見込まれる。また、熱硬化性樹脂中でも空隙を維持するため、添加樹脂の低誘電化、低誘電正接化が確認できており、低誘電特性が求められる電子回路基板やミリ波レーダー用基板などへの展開も期待されている。

 開発品は12月7~9日に幕張メッセで開催される高機能素材Week内の「第11回プラスチックジャパン高機能プラスチック展」で展示する予定。

人気連載

  • マーケット
  • ゴム業界の常識
  • 海から考えるカーボンニュートラル
  • つたえること・つたわるもの
  • ベルギー
  • 気になったので聞いてみた
  • とある市場の天然ゴム先物