【特集】自動車部品
バンドー化学、中国市場、ローカル企業への拡大めざす
工業用品 2017-10-11
バンドー化学の17年3月期自動車部品事業売上高は、国内は前年同期比5%減、海外は同2%減となった。
国内では補修用は前年同期並みを確保したが、主要顧客の海外生産移管の影響で新車組み付け用は減少した。
海外では中国・アジアは前年同期比3%増収したが、欧米は同10%減収した。欧州は新車組み付け用が減少した。中国・アジアの新車組み付け用は低調だったが、ベトナム、インド、タイではスクーターなどの新車組み付け用が好調に推移した。
国内の補修用は前年並みを確保している。ベルトでは「リブエース・フィット」が、システム製品では「オートテンショナ」が好調。また一昨年から補修市場で展開を始めた「バンドースムースカップラー」なども堅調だった。
補修用に関しては、需要喚起の一環として、摩耗ゲージの無料配布やベルト交換の重要性を訴求するため販売店や整備士向けに講習会を実施している。こうした地道な啓蒙活動の効果もあり交換意識が年々高まっていると考えている。
「講習会は東京、名古屋、大阪の各支店が地域ごとに担当しており、月10回以上を計画的に開催している」(同社)
18年3月期第1四半期の売上高は前年同期並みとなった。国内は生産の海外移管や、ベルト非装着車拡大の影響により若干減収。アジアはスクーター用変速ベルトがベトナム、インドで大幅に伸びたことに加え、自動車用でも日系メーカー向けや補修用が伸びたことで2ケタ増収となった。中国は主要顧客の生産減少により減収。ペルー、ボリビア、エクアドルなどの南米地域での販売も実績がついてきている。
通期業績の見通しは、中国、韓国は依然として厳しいと見ているが、ベトナム、インド、タイ、日本で増収をはかることでカバーし、前期並みの売上高を確保したいとしている。
中国市場では、ローカルメーカーへの販売シェア拡大を課題としてあげる。「中国のローカルメーカーは技術情報に対する興味が旺盛なため、上海技術センターの人員によるフォロー活動を行っている。当社の技術水準の高さが評価され、高品質の自動車生産を目指す現地自動車メーカーへの納入が徐々に拡大している。低価格品を欲しがるボリュームゾーンを狙えば量をさばけるが、当社は付加価値ゾーンでの販売拡大を目指している」(同社)。
インド市場では、現在、日系メーカーを中心に、一部現地メーカーにも納入している。今後は現地メーカーへの納入をさらに拡大していく方針。また商流を拡大し、補修用も拡販していく。
インドには、北部のグルガオンと南部のバンガロールに生産拠点があり、バンガロール工場はスペースに余裕があるため、需要増に合わせ、増産対応していく。ベトナムは一貫生産ができる新工場に拡張・移転する。新工場は今年11月に稼働する予定。
ハイブリッド車や電気自動車拡大への対応としては、ベルトの新たな用途開発を進めている。スライドドア用ベルトやパワステ用ベルトの開発・上市を計画している。また、ベルト以外の新製品「放熱シート(高熱伝導シート)」などについても自動車分野への提案活動を加速していく方針だ。
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