【特集】インフラ製品
バンドー化学、難燃耐熱コンベヤベルトに注力
工業用品 2017-03-28
バンドー化学の17年3月期第3四半期産業資材事業は減収ながら増益を確保した。増益の一因がインフラ整備に貢献する製品であるコンベヤベルトだ。今期のコンベヤベルト部門は、資源開発国向け販売が減少したこと、また国内では主力の鉄鋼向け販売が低調に推移するなか、汎用品の低価格販売を行わず選別受注したことで、売上高は減少した。しかし利益面に関しては、選別受注に加え、急傾斜コンベヤベルトやパイプコンベヤベルトなど収益性の高い特長品の販売に注力したことで増益となった。
同社では、東京オリンピックやリニア新幹線など大型プロジェクトにより想定されるインフラ関連需要に向けて、急傾斜コンベヤベルト、パイプコンベヤベルト、難燃性コンベヤベルトなど、同社の技術力が活かせるコンベヤベルトの開発・販売に力を入れていく。
今後、インフラ需要向けに注力展開していくのが、自己消炎性を有した難燃耐熱コンベヤベルトFR7000シリーズ。同シリーズの特長は①特殊な配合処方により、難燃性と耐熱性を両立させている②従来と同等の寿命(同社測定)を有する③特殊配合ゴムは熱劣化による物性の低下が小さいため、ベルト表面温度が60℃以上になる高温搬送物を運搬することができる。このほかJIS K6324に規定されるバーナー燃焼試験をクリアしており、火災が心配されるラインでも安心して使用できる。
同社によると安定した連続搬送が求められるベルトコンベヤでは、不慮の火災によるライン停止は大きな損害を与えることになり、特に火災の原因となりやすい高温搬送物を運搬するラインでは、難燃性能を有するコンベヤベルトが求められているという。
そのため同社では、長年蓄積してきた配合設計技術、ベルト設計技術を活用し、難燃性能を有するコンベヤベルトとして難燃ベルト、難燃耐摩耗ベルト、難燃耐油ベルトをラインアップしてきたが、これらの品揃えに加えて、新たに高温搬送用途の難燃耐熱ベルトFR7000シリーズを開発したもの。
昨年10月に第1弾としてベルト表面温度が60-100℃となる領域で使用できるFR7500を、今年3月には100-180℃とさらに高温領域で使用できるFR7700を発売した。7500は乾燥石灰石や製紙原料などに、7700は焼結鉱やクリンカ(石炭灰)などの搬送に適している。
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