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日本免震構造協会が最新情報発表

2018年の免震建物は4,755棟に

工業用品 2020-07-13

 日本免震構造協会(和田章会長)は6月24日、東京都渋谷区の建築家会館1階大ホールで記者懇談会を行い、2019年度の活動概況や免震建築物の最新情報などを発表した。

和田章会長


 それによると、2018年末までの免震建築物の計画棟数累計は4,755棟(官庁935棟、民間3,820棟)となり、2017年から143棟増加した。内訳は集合住宅が39%、事務所15%、病院・診療所が13%と2ケタを占め、以下、庁舎6%、倉庫4%、工場と研究施設が3%と続く。高層免震は集合住宅と事務所他を合わせて620棟(2017年586棟)、免震レトロフィットは178棟(同176棟)で、戸建て住宅は4,744棟(同4,735棟)になるという。

 地域分布をみると、東京が1,264棟(同1,217棟)と最も多く、次いで神奈川の532棟(同513棟)、以下大阪343棟(同327棟)、愛知295棟(同289棟)と大都市圏が続く。また、東海地震が心配される静岡222棟(同217棟)のほか、宮城203棟(同192棟)、兵庫167棟(同160棟)、福岡106棟(同101棟)など実際に大地震が発生した地域に多く建設されている。熊本は34棟で九州では福岡に次ぐ棟数となっている。

 最近の動向について同協会では「年別の計画棟数の伸びは鈍化傾向にあるが、床面積でみると減少はしていない。1年間に建設される建築物の延べ床面積のうち、2000年頃は免震建物が占める割合は1%ほどだったが、現在は4%ほどまで伸びている。要因は大型の物流倉庫等での採用が進んでいるためで、今回の統計では全体に占める倉庫の割合は4%だが、2014~2018年の5年間のみの統計では8%を占める」と述べた。

 会見に出席した和田会長は、これらの状況を踏まえ「大地震時の避難場所としても活用できる免震構造建築物をもっと増やしていかなければならない。免震構造を特別視するエンジニアはまだ多いので、分かりやすい講習会やテキストなどを作成し、さらなる普及を進めていきたい」と話した。

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