シリコーンゴムの新材料について
墨東ゴム工業会、三木会を開催
工業用品 2018-10-05
墨東ゴム工業会(堀田秀敏会長=ホッティーポリマー社長)は10月4日、東京・東向島のすみた生涯学習センターで「三木会」を開催した。
今回の講師は、信越化学工業電子材料研究所の堀田昌克主席研究員および片桐淳営業第三課長で、「シリコーンゴムの新材料について」の講演を行った。
講演では『信越化学工業のシリコーン事業』紹介から始められ、①塩ビ・化成品事業②シリコーン事業③機能性化学品事業④半導体シリコン事業⑤電子・機能性材料事業⑥その他関連事業の6事業部門で製品展開し、シリコーン事業は18年3月期セグメント別売上高で14%を占め、シリコーンのシェアは国内1位、世界でも4位と紹介された。
続いてシリコーンの主要製造拠点「群馬事業所」(群馬県安中市)の概要説明がされ、オイルやシリカなど原料から数多くのシリコーン最終製品まで開発・製造可能な強みを活かし、営業・製造・研究の三位一体でユーザーニーズに対応していると説明された。なお同社ではシリコーン中間原料と最終製品に全世界で約1,100億円投資予定で増産などにより、最近の需給動向改善に貢献できるとしている。
次の『シリコーンとシリコーンゴムの基礎』では、シリコーンの特徴、各種ゴムの特性比較、シリコーンゴムの用途、種類が紹介された。このうち代表的な「ミラブルゴム」に関して、成型方法の中から「LIMS(液状ゴムの射出成型)」の概要がが紹介された。さらにシリコーンゴムの配合組成、シリコーンポリマーの種類、シリコーンゴムの硬化機構に加えて、加硫剤や微粉末シリカによるシリコーンゴムの補強などが説明され、これらを使用した「ミラブル材料の製造工程」も説明された。
『シリコーンゴム製品の紹介』の項目では、主に「高強度シリコーンゴム」、「高耐熱シリコーンゴム」、「耐火シリコーンゴム」に関して説明された。シリコーンゴムは温度による特性変化が非常に少なく、強度だけではなく粘弾性も同様という特徴を有しており、特に自動車用防振部材の分野では、耐熱性に優れ低温から高温まで特性変化が少ないシリコーンへの置き換えが進んでいると説明があった。
さらに耐火性なども評価され、「欧州鉄道車両火災予防規格のEN45545規格」に適応する素材として内外装に採用例が増えていると説明された。
最後に国連が提唱する「持続可能な開発のための2030アジェンダ」や、環境省の「持続可能な社会を目指して」に関して、数多くの優れた特徴を有するシリコーン製品で、皆様の生産活動を支援していく、そのために信越シリコーンは無限の可能性をつねに追求しているとのメッセージで講演を結んだ。
最後に堀田会長が「本日は、我々に身近な素材製品であるシリコーンゴムに関して、色々とお聞き出来て非常に有意な講義になったのではないか。今回得た知見を今後の仕事に是非とも活用して欲しい」とあいさつした。
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