【特集】ゴム・樹脂コンベヤベルト
バンドー化学、技術力活かせる特長品拡販
工業用品 2016-10-13
バンドー化学の16年度第1四半期(4―6月)ゴムコンベヤベルト部門は減収増益となった。売上高は資源開発国向け販売が減少したこと、また国内では主力の鉄鋼向け販売が低調に推移するなか、特長品の拡販を推進するとともに、選別受注を行ったこともあり、2割ほど減収した。
一方、利益面は、徹底したコスト削減に加え、選別受注の効果や原材料価格の低位安定により増益となった。
同社では、第2四半期以降も厳しい市場環境が続くと予想している。そこで国内は新設が決定された小型・効率化に対応した石炭火力発電所の搬送ラインや、東京五輪に向けて活発化が見込まれるインフラ案件を確実に取り込んでいく。海外は資源需要の回復が見込まれないなか、成長市場であるアジア地域のインフラ関連需要の受注活動に注力する。
製品面では、パイプコンベヤベルトや急傾斜コンベヤベルト、難燃耐熱コンベヤベルトなど、同社の技術力を活かせる特長品の拡販で収益確保を図る。
注力する製品は、10月に新発売した自己消炎性を有した難燃耐熱コンベヤベルトFR7000シリーズ。特長は①特殊な配合処方により、難燃性と耐熱性を両立させている②従来と同等の寿命(同社測定)を有す③特殊配合ゴムは熱劣化による物性の低下が小さいため、ベルト表面温度が60度以上となる高温搬送物を運搬することができるなど。
昨年からコンベヤベルト生産ラインの刷新を進めている加古川工場は、6月から新ラインが稼働し製品出荷が始まっている。これまで以上に高品質の製品を効率的に生産することで、競争力を高めていく。
また、メンテナンス活動を強化することで補修需要の掘り起こしをはかる。BPFC会(バンドー・プロフェッショナル・フィールドサービス・チェーン)加盟の40社を中心にメンテナンスサービスをこれまで以上に充実させていく。
「ベルトを売りっぱなしにするのではなく、その後の点検サービスも充実させることで、ベルトの不具合によるラインストップを未然に防ぎ、ユーザーに貢献していく」(同社)
樹脂コンベヤベルト部門の第1四半期業績は増収増益。国内は物流分野が堅調。食品分野も前年同期並みをキープし安定している。第2四半期以降も堅調に推移すると予想している。
第1四半期の海外は、中国やタイを中心としたアセアン地域で食品分野が増加した。中国・上海とタイには樹脂ベルトの加工拠点があるため、その強みを活かして今後も拡販していく。
「当社の拠点ネットワークがあるアジア地域での販売を今後も強化していく」(同社)
製品面では、欧州委員会規則(PIM)に対応したベルトの販売に注力する。アジア地域には、欧州地域に輸出する食品メーカーも多い。そこで「こうしたアジアの食品メーカーに販売される食品機械にPIM対応のベルトが採用されるよう訴求していく」(同社)。
またウレタン単一材ベルトの投入効果により食肉分野や水産加工分野で新規開拓が進み始めた。 「これまで、単一材ベルトがなかったために、受注につなげることができなかった分野やユーザーに対して提案できるようになっている」(同社)。
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