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日本一社員を幸せにする会社を訪問

西部ゴム商組、「未来工業」の工場を見学

商社 2017-04-04

射出成形ラインを見学


 西部工業用ゴム製品卸商業組合(祖父江一郎理事長=さつき社長)は3月24日、岐阜県安八郡輪之内町の未来工業の工場見学会を開催、組合員約30人が参加した。

 未来工業は日本一社員を幸せにする会社、日本一休みが多い会社としてテレビや雑誌等で取り上げられ、全国の中小企業から見学申し込みが絶えない企業として知られる。西部ゴム商組も組合員からの要望で見学が実現した。

 当日は昼過ぎに東海道新幹線の岐阜羽島駅に組合員が集合し、タクシーに分乗して午後1時過ぎに未来工業本社・大垣工場に到着。早速、同社総務部の担当者から約1時間にわたり、会社概要の説明を受けた。

 それによると創立は1965年で、名証二部上場。事業内容は電気設備資材、給排水設備およびガス設備資材の製造販売で、グループ会社7社、全国に6工場・27営業所を持つ。資本金は70億6,786万円、売上高は268億円(15年度)、従業員は812人(同)。輸出入業務はなく、国内のみで事業展開している。創業者が演劇出身で劇団名の“未来座”から社名をとった。

 会社説明では、未来工業の特色として休みが多く年間140日、5年に一度の会社全負担の海外旅行、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)禁止、残業禁止、社員のユニフォームがない、全員正社員、育児休暇3年などを挙げ、これらの点が世の中に知れるところとなり、有名になったと説明。

 しかし同社によると、社員のやる気を上げるためにこれらの項目を実施しているもので、「社員が自分の考えで仕事をすることでアイデアが生まれ、成功体験につながる。社員全員で新しいことを考え、生み出していくことを目指しているのが未来工業」と、総務担当者は説明した。

 そのため提案が活発な会社としても有名で、提案を1件出せば不採用でも必ず1人500円もらえるという。

 休みが多いのも社員のやる気を引き出すためで、ゴールデンウイークと夏休みは10連休、冬休みは20連休でたぶん日本一と話す。休みが多いということは、自分の時間を持つことができるので、人生を楽しむことができるとしている。

 会社説明の後、プラスチック電線管の押出成形ラインや、国内シェア70%以上を持つモール用スイッチボックスを生産する射出成形ラインを中心に見学した。

 自由に働ける環境を整えることをモットーにしている会社らしく、工場内は管理・規則等の類の張り紙があまりなく、目立つのは社是ともいえる「常に考える」の標語があちこちに貼られていることと、提案制度ですぐに実施された改善事例の張り紙である。

 「特別なことはしていないが、他の会社がやらないことをやっているだけ。それが差別化であり、それを徹底してやっている会社」という担当者の説明が、工場内を見てよくわかった。

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