市況悪化がより鮮明に
東部ゴム商組、ベルト・ホース流通動態調査
商社 2020-05-27
ゴム製品卸商社がベルト・ホースの市況悪化を感じていることが、東部工業用ゴム製品卸商業組合がまとめた「2019年版ベルト・ホース流通動態調査」で、より鮮明化した。現在の調査方式に刷新した2015年以降、概ね堅調を示す回答が続いていたが2018年で停滞、2019年はよりマイナスの回答が増加している。新型コロナウイルスの世界的流行もあり、先行きも厳しい見方が強くなっている。
同調査は、2019年12月にベルトホース部会員企業と同部会選定の組合員企業59社にアンケートを送付、2019年1~12月を対象にその内容を集計したもの。回答率は81%となった。
アンケートでは売上高や市場価格、在庫状況、卸売と直売の売上高比率、販売上の問題など幅広く聞いている。今回は設問の中から、売上高の動向に関する結果をピックアップして紹介する。
2019年の売上高
ベルト、ホースともに売上高は減少している。売上高の前年比は11品目で「95~105%」の中位回答が最多だったが、前回調査に比べ全品目で「90~95%未満」「90%未満」の下位2回答が増加した。
特に落ち込んだのが伝動ベルトで、V形、歯付、プーリ、その他の4品目で下位2回答が50%超え。なかでもプーリは63%に達した。
ホースも同様な傾向だが、伝動ベルトほどの落ち込みはない。下位2回答の50%超えは空圧チューブの58%のみで、高圧ゴムやゴムでは「110%以上」「105~110%未満」の上位2回答が20%以上と底堅さも見せている。
しかし、ベルト、ホース全品目で、上位2回答が下位2回答を上回ったのはゼロ。前回調査では7品目あったことから、景況悪化が数字にもあらわれている。
2020年の売上高予想
12品目全てで中位回答が最多となったが、2019年と同様、上位2回答が下位2回答を上回った品目はゼロ。前回調査に比べ全品目で下位2回答が増加しており、厳しい見通し。
ベルトでは伝動のプーリとその他、搬送の樹脂とその他の4品目が、ホースでは高圧ゴムと空圧チューブの2品目が前回調査比で下位2回答が20ポイント以上増加している。
一方、上位2回答が前年調査からわずかでも増加したのが、ベルトでは伝動のV形と搬送のゴムとその他の3品目、ホースでは高圧樹脂とゴム2品目。特にV形は全回答で前年並みの水準を維持している。
需要の将来性
全品目で中位回答が最多なのは前年調査と同じだが、「90%未満」の回答が、前年調査に比べ12品目中9品目で増加。ベルトでは伝動のプーリとその他、ホースでは空圧チューブの3品目で10ポイント以上増加している。
一方、「110%超」の回答が増えたのが、ベルトでは伝動のV形と搬送のその他、ホースではゴムの3品目。しかし、いずれも増加幅はわずかで、数年先まで厳しい需要状況が続くとの予想が多い。
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回答率は76.4%
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