【特集】ゴム関連企業の海外進出<アセアン編>
東工コーセン、自動車部品をメインに展開
商社 2018-05-09
東工コーセンは、アセアン地域に商社3、製造会社3、計6社の子会社・持分方適用関連会社を展開している。
アセアン地域への進出は、タイのバンコクに繊維資材の輸出入販売を行う「コーセン タイランド」を2002年に設立したのが始まり。2003年にはタイのチョンブリ県に自動車部品の加工を行う「コーセン ファイバーテック タイランド」を設立した。コーセン タイランドでは、自動車用ホースの補強糸やエアバッグ布などを販売、ファイバーテックでは、エアバッグの縫製やウェザーストリップの加工を行っている。また2012年には、ファイバーテックの近接地に「ニシヨリ タイランド」を設立。同社ではゴムベルト補強糸や自動車用ホース補強糸の樹脂ディッピング加工を行っている。
そのほか、インドネシアのジャカルタに自動車部品用繊維資材や化学品の輸入販売をする「東工コーセン インドネシア」を2012年に設立。ベトナムのハノイに自動車部品用繊維資材の輸入販売を行う「東工コーセン ベトナム」を設立している。また、カンボジアには衣料品の縫製加工を行う「東工コーセン ガーメンツ カンボジア」を2013年に設立している。
アセアン地域での事業展開は、自動車関連(ホース補強糸、エアバッグ布、ゴムベルト、補強糸等)がメインで、直接・間接を含め売上高の約8割を占めている。
同社の吉村達也常務は「アセアンの自動車市場は日系メーカーのシェアが約80%と高く、まだ成長の余地がある。とりわけタイはアセアン最大の自動車生産拠点で日系サプライヤーが集積している。当社にとっては自動車サプライヤーが主要顧客になるので、タイ市場はビジネスチャンスも多く有望な市場だ」と期待している。
中国に比べればまだ低いが、タイでも労務費が上昇している。そのため同社では、今後、工場の自動化・省人化、また賃金水準の低い周辺国(CLMV=カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)への一部生産シフトも考えている。
アセアン市場での販売戦略は「当社の中核事業である日中貿易事業と工業繊維事業のノウハウを活かし、日本、中国、アセアンのアジアグローバル領域で、両事業の融合一体化を進め事業を強化していく。また既成の商社機能加え、加工・物流機能を充実させることで顧客ニーズに対応していく」。
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