【特集】低燃費タイヤ-メーカーに聞く「低燃費の次に求められる性能は」
日本ミシュランタイヤ、トータルパフォーマンス具現化した「パイロットスポーツ4S」
タイヤ 2017-05-18
ミシュランは、日本のラベリング制度に適合したタイヤを上市しているが、グレーディング取得を主目的とした開発は一切行っていない。「低燃費タイヤだけのモノづくりはしておらず、重視しているのはカーメーカーとの共同開発だ」と語る日本ミシュランタイヤ乗用車・商用車タイヤ事業部マーケティング部の望月一郎ブランド戦略マネージャー。ミシュランのタイヤ開発の方向性について、次のように話す。
■ミシュランのポリシー
どこのカーメーカーも環境性能は無視していないが、だからといって低燃費性能だけを求めてはおらず、クルマのキャラクターによっても違ってくるが、タイヤにはトータルバランスに優れた性能を求めている。そのためミシュランでは、タイヤには安心感を持って走るための制動力とグリップ、疲れを感じさせない快適さや静粛性、さらにこれらの性能を持続させるための耐久性や環境性能などが必要だと考えている。転がり抵抗は1つの重要な要素ではあるが、安全性を損なってもいけないし、ロングライフを犠牲にしてもいけない。ミシュランはすべての性能を犠牲にしない、トータルパフォーマンスに優れたタイヤを目指している。
■ハイスペック・スポーツタイヤ
今年4月1日から新発売した「パイロットスポーツ4S」は、スポーツ走行の悦びを支えるハイパフォーマンスと安全性能を高い次元で両立したハイスペック・スポーツタイヤだ。用途としては、サーキット走行まで視野に入れている。こうした走りのタイヤは、従来なら転がり抵抗は逆にネガティブ要素となるが、パイロットスポーツ4Sは日本のグレーディングで転がり抵抗性能A、ウェットグリップ性能もaを獲得している(一部B-aも)。燃費性能に特化したわけではないが、幅広い車種に対応した結果であり、ミシュランのタイヤづくりのポリシーであるトータルパフォーマンスを具現化している。
■満足保証プログラム
一方、ミシュランは一般ユーザーの幅広いニーズに応えるため、高い安全性と耐久性を兼ね備えた低燃費性能の基準タイヤといえる「エナジーセイバー」シリーズをラインアップしている。そのエナジーセイバー・シリーズが今回、満足保証プログラムの対象商品に加わり、対象は計12商品となった。当プログラムは、商品の性能に満足しなかった場合、購入から60日以内であればタイヤ購入代金と作業工賃を全額返金するというもの。裏返すとミシュランタイヤの性能に関する自信の表れでもある。特にカーディーラーにとっては、60日間タイヤを試すことができる当プログラムは他のタイヤブランドとの大きな差別化ポイントと捉えている。またトータルパフォーマンスについても、その1つの例がパイロットスポーツ4Sであり、すべての性能を妥協しないミシュランの姿勢として強くアピールしていきたいと考えている。
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