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テーマは「タイヤのLCAによる物流業界の環境課題に貢献」

日本ミシュランタイヤ、「ジャパントラックショー2024」でメディアセミナーを開催

タイヤ 2024-05-14

 日本ミシュランタイヤは5月9日、メディアセミナーを「ジャパントラックショー2024」で開催した。

日本ミシュランタイヤのブース


 冒頭、田中禎浩B2Bタイヤ事業部常務執行役員が「当社の企業ビジョン『すべてを持続可能に』では、人、利益、環境の3つの柱が最適にしっかりとバランスを取ることで、初めて持続可能になるという考えがある。3つそれぞれに対し明確なターゲットを設けているが、今回は特に『環境』にフォーカスしてお話しする」とあいさつした。

あいさつする田中禎浩常務執行役員


説明する伊藤雅尚氏


 続けて伊藤雅尚マーケティング部B2Bオンロードセグメントマネージャーが「タイヤのLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)による物流業界の環境課題に貢献」と題し、①ミシュランのコミットメント②物流業界のチャレンジ③ミシュランブース展示について発表。物流業界の課題として①環境対応②物流コストの増加③ドライバー不足を課題として挙げ、中でも①環境対応(荷主のScope3削減への貢献)を中心に説明した。

 同社はタイヤのLCA実現に向け、過程の1つである「END OF LIFE」の中でも、これから主流になると予想されるマテリアルリサイクル実現にも注力していく。

 そこで木本ゴム工業の「リサイクルカーストッパー」に使用済みタイヤ由来の再生ゴム粉末を採用、初めて製品化された事例を紹介した。採用されたゴム粉は同社グループであるリーハイテクノロジー製造の「MicroDyne」微細ゴム粉末(MRP:Micronized Rubber Powder)だ。

リーハイテクノロジー製造の「MicroDyne」微細ゴム粉末


 「MRPはすでにアスファルト材や他のゴム製品などに利用実績がある。当社として、利用実績がない製品での採用を目指し、今回木本ゴム工業のリサイクルカーストッパーへの採用となった。同製品は押し出しの工業部材だが、従来のゴム粉の粒子の大きさだと採用が難しかった。しかし、リーハイテクノロジーの凍結粉砕技術による非常に微細なMRPを使用することで性能維持を可能にし、採用に至った。当社として新分野への開発という観点からも一歩踏み出せたと思っている。これから再生材料の採用をさらに加速させていきたい」(日本ミシュランタイヤ)。

国内初展示となるサステナブルタイヤ


 他にも今回同社ブースでは、「2050年、Everything will be sustainable」に向けた循環型エコシステムの実現に向け、サステナブル素材を58%使用したサステナブルタイヤを国内で初展示した。「すでに欧州では実走しており、現行品と同等の機能性を持つ」(同)といい、環境と性能を両立させている。

 同社は「今回のジャパントラックショー2024の開催テーマでもある『環境と調和する、物流の未来』を実現できるよう、今後も物流業界の皆さんとともに協力して取り組んでいきたい」と語った。

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