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2月から彦根工場で稼働

ブリヂストンがAI活用のタイヤ成型システム

タイヤ 2016-05-30

センシング機構(イメージ図)

センシング機構(イメージ図)


 ブリヂストンは5月25日午後3時から、東京・茅場町の鉄鋼会館で技術発表会を開き、今年2月から同社の彦根工場(滋賀県彦根市)にICT(情報通信技術)を搭載した最新鋭タイヤ成型システムを導入、稼働を開始していることを明らかにした。発表会には、同社から三枝幸夫タイヤ生産システム開発本部長らが出席。
 
 

既存成型に比べ生産性2倍に

 それによると同システムは、タイヤ生産技術におけるさらなる品質向上、高生産性を実現するためブリヂストン独自のICTに、新たにAI(人工知能)を実装したタイヤ成型システムで、同社では「エクサメーション」と呼んでいる。同社グループのフラッグシップ工場である彦根工場に初めて導入したが、今後同システムを既存工場、新設工場などにグローバル展開する。

 同社は2002年、世界で初めて部材から製品検査工程までを全自動化し、また生産現場の状況をリアルタイムで把握するネットワーク技術を導入した生産システム「BIRD」を開発。今回はBIRDで培ってきたICTを進化させるとともに、新たなコンセプト「BIO/BID」に基づいた革新的な生産技術を実現する独自のICTを搭載している。

 BIO/BIDは、同社のコア技術である高分子・ゴム・複合体の材料加工に関する知見を加えた独自のデータ解析に、生産工程等で得られる膨大な情報をビッグデータ解析し、さらに技能員が培ってきた技術・ノウハウを加えた独自のアルゴリズムを搭載する新技術、と同社では説明している。

 つまりBIOで生み出される、これまでの知見を超えたアルゴリズムに基づき、BIDが生産システムを自動制御する独自のAIを搭載することで、技能員のスキルに依存してきた従来の生産工程や品質保証の判断・動作をエクサメーション側ですべて自動的に行う。

 また、人による様々なバラツキが極小化されることで、従来にない高精度なモノづくりが可能になる。さらに同システムで得られた情報は、既存の成型システムや前後の工程間、製品情報など様々なデータにつなぐことで、工場全体の工程能力向上に貢献する。

 その結果、従来製法に比べて真円性(ユニフォミティー)を15%以上向上、またマルチドラム製法を採用することで、部材の貼り付け動作を同時並行で行うため、既存成型と比べて約2倍の高い生産性を実現する。

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