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低インチタイヤの生産性改善の一環で

ブリヂストン、仏・ベチューン工場閉鎖に向けた協議を開始

タイヤ 2020-09-17

 ブリヂストンの欧州グループ会社「ブリヂストン ヨーロッパ」は9月16日、同社が保有するフランスに位置する乗用車用タイヤ工場「ベチューン工場」の閉鎖に向けて関係者と協議を開始したと発表した。

 近年、欧州の乗用車用タイヤ市場では業界の収益構造が悪化傾向にあり、加えて需要が伸び悩む18インチ未満の低インチタイヤの供給能力が過剰気味になるなど競争環境は厳しさを増している。

 一方、18インチ以上の高インチタイヤの需要は堅調に推移しているため、欧州グループ会社は、プレミアムビジネス戦略として、高インチタイヤの販売強化を進めつつ、低インチタイヤの供給能力を見直して生産性の改善を図るなどの改革に取り組んでいる。

 ベチューン工場は低インチタイヤを主に生産しており、製造設備などの制約から高インチタイヤへの生産シフトは困難な状況となっている。こうした状況を踏まえ、ベチューン工場の操業継続のためにあらゆる可能性を検討したが、競争力を維持しながら同工場の操業を継続することは困難と判断した。

 今後、ベチューン工場閉鎖に向けて関係者と協議するとともに、工場閉鎖により影響を受ける863人の従業員とその家族、地域社会への影響が最小限に留まるよう対話を継続していく。

 ■ベチューン工場の概要
 ◇所在地=フランス共和国・オー・ド・フランス地域圏パ・ド・カレー県◇工場長=フィリップ・バーナッジ氏◇生産品目=乗用車用タイヤ◇操業開始=1961年◇従業員数=863人(9月16日時点)◇生産能力=日産約1万7,000本

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