コア事業と成長事業を組み合わせ価値増幅
ブリヂストン、中長期事業戦略構想を発表
タイヤ 2020-07-13
ブリヂストンは7月8日、2050年以降を見据えた中長期事業戦略構想を発表した。1931年の創業(Bridgestone1.0)、ファイアストン社買収によりグローバル化に舵を切った1988年の第二の創業(Bridgestone2.0)に続き、2020年を第三の創業(Bridgestone3.0)と位置付けた。
「2050年にサステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョン実現を目指す。当日、Webで会見した石橋秀一代表執行役GlobalCEOは、「タイヤ業界の収益構造は悪化傾向にあり、強烈な危機感を持っている。業界変化を見据えた大胆・抜本的な対策が必要と判断した」と語った。
サステナビリティを経営の中核に据え、社会価値と顧客価値を両立することで競争優位を獲得するとともに、独自のプラットフォーム「Bridgestone T&DPaaS」でソリューション事業を推進する。また、独自のビジネスモデルとして「コア事業」であるタイヤ・ゴム事業の強みを活かし、「成長事業」であるソリューション事業へ進化を図る。
全社売上高の65%にあたるトラック・バス用タイヤ、乗用車/小型トラック用タイヤ、鉱山用タイヤ、航空機用タイヤをコア事業に、ソリューションを成長事業として組み合わせる。成長事業で得られた知見をコア事業にフィードバックすることでさらに強化し、強化したコア事業によりさらに成長事業が盤石になるというスパイラルアップ(価値の増幅)を目指す。
コア事業では、高インチタイヤやランフラットタイヤ、冬タイヤなどの高付加価値商品に特化したプレミアム戦略を推し進めるとともに、生産拠点の最適化、プレミアムチャネルの整備、ソリューションネットワークなどの体制強化を図る。
コア事業には、タイヤ、リトレッド、摩耗予測、メンテナンスを組み合わせたTBソリューションのように、得られたタイヤデータを活用し高付加価値を提供するタイヤセントリックソリューション、webfleetのようにタイヤデータだけでなく、モビリティから得られたデータも活用し新しい価値を提供するモビリティソリューションを成長事業として組み合わせる。スパイラルアップによってコア事業、成長事業ともに価値を高めていく。
コア事業と成長事業のバランスは「成長事業は現状で大きくなく、コア事業が大部分を占めている。ただ、そのバランスは大きなポイント」(石橋代表執行役)として、2021年2月に予定している事業計画発表の場で示していく考えだ。
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