スウェーデン・エンバイロ社と
ミシュラン、使用済みタイヤを原材料に変えるテクノロジー開発に向け提携
タイヤ 2020-04-24
ミシュランは4月15日、使用済みタイヤをリサイクルする熱分解テクノロジー(有機化合物を急激に加熱することにより化学的に分解する手法。対象の有機化合物にはもともと含まれていない新たな生成物を抽出することが可能になり)の大規模な開発・事業化を目指してスウェーデン・エンバイロ社との提携を進めると発表した。
毎年、約10億本ものタイヤがその役割を終えているが、今回開発するリサイクルテクノロジーによって、使用済みタイヤが良質の原材料に生まれ変わることができる。
エンバイロ社は、熱分解プロセスにおいてエネルギー消費を最小限に抑えながら、素材の化学的組成および物理的状態を変化させるテクノロジーを開発。この最先端の革新的なテクノロジーを利用して、再生カーボンブラック、熱分解油、鋼鉄など他産業分野の生産工程で再利用することができる生成物を生産することが可能となり、廃棄物として処分されているタイヤも原材料としてリサイクルできるようになる。
ミシュランとエンバイロ社の提携プロセルは次の通り。
①エンバイロの熱分解テクノロジーを大規模に展開するための開発契約の締結②エンバイロ社株式の20%を取得するため、ミシュランは総額約300万ユーロを出資し、筆頭株主となる。ミシュランはエンバイロ社を支援するため、同社の取締役になる人員を派遣する予定で、株主総会に提案。4月15日に株式引受手続きに署名をしている③同テクノロジーの事業化を進めるための工場建設共同プロジェクトを発足させる。工場の立地は検討中④ミシュランとエンバイロ社間の相互供与契約を締結する。
この提携により両社は相互に補完し合うノウハウを持ち寄り、タイヤのリサイクルを加速。ミシュランは自社の事業ノウハウを工場建設プロジェクトや研究開発・製造に活かし、エンバイロ社は特許権を取得している熱分解テクノロジーを提供することで、高品質の製品を生み出す。
なお、2020年の半ばまでの最終的な合意に向けて両社の協議が進められている。
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