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安全性と快適性を高めるイノベーションを加速

ミシュラン、ブレンボとグローバル契約を締結

タイヤ 2024-12-17

 仏・ミシュランは、高性能ブレーキシステムおよびコンポーネントの設計・開発・生産の世界的なリーディングカンパニーであるブレンボと、ブレーキとタイヤに関するアルゴリズム、ノウハウ、専門知識を活用したインテリジェントソリューションを組み合わせるグローバル契約を締結した。

 同パートナーシップでは、ブレンボが持つブレーキシステム、車両モデリング、人工知能の卓越した技術と、ミシュランが誇るタイヤモデリングやアルゴリズム開発の専門性を融合。

 ミシュランのコネクテッドソリューションソフトウェアとブレンボの革新的なSENSIFYブレーキシステムの間でデータをリアルタイムに継続的に交換すし、ミシュランが提供するタイヤのグリップデータにより、エンジニアはブレーキシステムを極めて精密に調整することが可能となり、SENSIFYの性能をさらに引き上げることができる。

 ミシュランのコネクテッドソリューションは、タイヤ開発の中で培われた高度なモデリング技術とシミュレーションの専門知識を活用。独自の車両データ分析のノウハウにより、リアルタイムで車両に情報を提供できるソフトウェアポートフォリオを開発した。その情報には、摩耗状況(Michelin SmartWear)、荷重(Michelin SmartLoad)、グリップ(Michelin SmartGrip)などが含まれる。同ソフトウェアは、すべてのタイヤブランドと互換性がある。

 ブレンボのSENSIFYは、現代のあらゆる車両に対応する次世代のブレーキシステムとして新たな基準を確立。その高い柔軟性、スケーラビリティ、適応性により、さまざまな車種への統合が容易に行える。SENSIFYは、ブレンボの世界的に評価されているブレーキコンポーネントと、AI、アルゴリズム、センサーを活用して各ホイールを独立して制御するデジタルブレインを融合。卓越した運転体験と安全性を提供する、次世代のブレーキシステムとなっている。

 初期テストは、仮想環境と実地で実施。第1段階では、ミシュランのタイヤモデルとアルゴリズムがブレンボのインテリジェントブレーキモデルおよび車両シミュレーションと統合され、完全に仮想環境で実施された。第2段階では、ミシュランの研究センターにあるテストトラックで実際の試験が行われ、シミュレーション結果が確認された。

 テストの結果、同じタイヤを使用したさまざまな条件下で、ABS作動中に最大4メートルの制動距離短縮が確認できた。ブレーキシステムは、反応時間の短縮、トラクションロスの最小化、横方向の安定性向上、さらにホイールロックの回避といった性能を発揮した。これらの要素が相まって、よりスムーズで快適な運転体験が実現する。

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