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高度な発酵手法、特に精密発酵の大規模な開発を推進

ミシュラン、共同で最先端のバイオ技術プラットフォームを設立

原材料 2024-07-23

 仏・ミシュランと、フランス産業界を代表するダノン、アメリカのスタートアップ企業DMC Biotechnologies、クレディ・アグリコル・グループの4社は、高度な発酵手法、特に精密発酵の大規模な開発を推進するため、バイオテック・オープン・プラットフォームの設立に合意した。

 精密発酵は、バイオベースの材料や原料を生産する画期的なバイオ技術。第1フェーズでは総投資額1,600万ユーロを超える同産業・技術プラットフォームは、フランス中央高地のクレルモン・フェラン市に位置し、ミシュランが支援するイノベーション促進施設「パルク・カタルー持続可能素材センター」内に設置される。

 また、バイオテクノロジー・オープン・プラットフォームは、クレルモン・オーヴェルニュ大学、Greentech社、欧州地域開発基金(ERDF)、オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏、クレルモン・オーヴェルニュ・メトロポールなど、複数の官民機関の支援を受けている。

 産業界が化石資源の代替を模索する中、より効率的に原料を供給しつつ、持続可能なソリューションが注目されている。

 特にバイオテクノロジー、精密発酵はこの課題を解決する有望な方法のひとつ。精密発酵は、細菌・酵母・真菌などの微生物を用いて、タンパク質・酵素・その他の産業用分子を生産する最先端技術で、農業食品や素材分野での技術革新に適している。基礎研究では進歩がみられるが、バイオテクノロジーにはさらなる大規模開発が必要となっている。

 バイオテック・オープン・プラットフォームの究極の目的は、研究室でテスト済みの革新的な製品や手法を拡大し、精密発酵の開発を加速させること。同プロジェクトは2025年までに発酵槽と精製装置を含む初期試験規模の生産ラインを設置し、2026年には2つ目の生産ラインを含む追加設備が設置される予定となっている。

 同拡張により、共同創設を行った4社の拡大ニーズに応え、他の企業にも順次開放される。

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