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19年12月期第3四半期業績

住友ゴム工業、タイヤ事業は増収減益

タイヤ 2019-11-06

 住友ゴム工業が11月6日に発表した19年12月期第3四半期(1-9月)業績(IFRS)は、売上収益が6,437億7,100万円で前年同期比1.2%増、事業利益が238億3,300万円で同31.2%減、純利益が79億6,300万円で同53.5%減となった。

 事業利益段階の増減要因は、増益要因が原材料15億円(天然ゴム9億円、石油系10億円、他▲4億円)、数量・構成他16億円、直接原価2億円で計33億円の増益。減益要因が価格▲4億円、固定費▲24億円、為替▲53億円、経費▲27億円、スポーツ▲25億円、産業品他▲8億円で計141億円の減益。差し引き108億円の減益となった。

 セグメント別にみると、タイヤ事業は売上収益が5,515億5,700万円で同2.0%増、事業利益が194億5,900万円で同27.8%減。国内新車用タイヤは、納入車種拡大によるシェアアップや低燃費タイヤを中心とする高付加価値商品の拡販により販売数量が増加したことで増収。 国内市販用タイヤは、「ダンロップ」ブランドの低燃費タイヤを中心とした高付加価値商品の拡販に加え、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要を取り込むことで増収となった。

 海外新車用タイヤは、欧州や北米のほか、新興国での納入拡大などにより増収。海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域では中国の景気減速の影響を受けたが、欧州・アフリカ地域では、欧州を中心に「ファルケン」ブランドの販売が伸長。米州地域では、北米で4WD・SUV用タイヤ「WILDPEAK(ワイルドピーク)」が好調に推移するなど「ファルケン」ブランドが販売を伸ばしたことで海外市販用タイヤ全体では増収となった。

 タイヤ事業の売上収益は前年同期を上回ったものの、事業利益は為替のマイナス要素に加えて、固定費、経費の増加などにより減益となった。

 スポーツ事業は売上収益が622億8,900万円で同3.6%減、事業利益が22億7,700万円で同52.8%減。国内ゴルフ用品では、主力のゴルフクラブ「ゼクシオ テン」が発売2年目に入ったことで減収。海外ゴルフ用品では、ゴルフボールNEW「スリクソン Z-STARシリーズ」や新製品ゴルフクラブ「クリーブランドゴルフ CBX2ウエッジ」などが販売を牽引し、北米中心に増収。テニス用品では、特に国内市況が前年を下回ったことで減収。ウェルネス事業では、前年に引き続き会員数が堅調に推移し、コンパクトジム「ジムスタイル」の新規出店もあり増収となった。

 産業品他事業は売上収益が299億2,500万円で同2.2%減、事業利益が20億7,800万円で同26.9%減。医療用精密ゴム部品や制振事業が堅調に推移したものの、OA機器用精密ゴム部品では主要OA機器メーカーのプリンター・コピー機の生産減少、インフラ系商材における体育施設の受注減もあり減収となった。

 通期業績予想を下方修正
 同社は同日、19年12月期通期業績予想の下方修正を発表した。タイヤ事業が前回予想(8月7日発表)を下回る見込みとし、売上収益、事業利益、純利益も前回予想を下回るとしている。

 ■19年12月期通期業績予想
 ◇売上収益=8,950億円(前回予想9,200億円、増減率2.7%減)[タイヤ事業7,660億円(同7,910億円、同3.2%減)、スポーツ事業870億円(前回予想と変わらず)、産業品他事業420億円(同)]◇事業利益=500億円(同560億円、同10.7%減)[タイヤ事業415億円(同475億円、同12.6%減)、スポーツ事業45億円(前回予想と変わらず)、産業品他事業40億円(同)]◇純利益=300億円(同340億円、同11.8%減)。

 事業利益段階の増減要因は、増益要因が原材料58億円(天然ゴム9億円、石油系51億円、他▲2億円)、価格16億円、直接原価14億円の計88億円。減益要因が数量・構成他▲12億円、固定費▲45億円、為替▲70億円、経費▲58億円、スポーツ▲10億円の計195億円。差し引き107億円の減益を見込む。

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