【特集】リトレッド(更生)タイヤ
日本ミシュランタイヤ、3Rの販売ネットワーク強化へ
タイヤ 2016-09-26
日本ミシュランタイヤは、2008年からリトレッドタイヤのビジネスに本格参入し、トラック・バス用(TB)タイヤでの3Rコンセプトの訴求・普及活動の中で注力している。
同社によると2015年のリトレッドタイヤ市場は、国内市販用TBタイヤの販売低迷を受け、リトレッドも11年ぶりに出荷量が減少したとしている。また新品TBタイヤとの価格競争が激しくなっているが、同社ではそうした動きに巻き込まれないようにするために、ミシュランの特徴である3Rコンセプトや、ワイドシングルタイヤ「ミシュラン X One(エックスワン)」を強く打ち出し、リトレッドも含めてTBタイヤ全体の価値をユーザーに訴求する戦略を展開している。
同社は9月に開催された「ジャパントラックショー2016」に出展したが、そこでもそうした戦略を改めて訴求した。
リトレッドビジネスの足元の状況については、9―12月にかけて年間販売量の50%以上を占める時期を迎えているので、昨年以上に販売活動に注力している。マーケティングの柱となっているのが、新品タイヤ(Reduce)の提案から、使用後に新たに溝を掘るリグルーブ(Reuse)、さらに自社で使用したケーシングを使って委託リトレッド(Recycle)という、3Rによる使用方法を推奨している。
一度装着したタイヤを同一ユーザー内で3世代(3R)にわたって使用してもらうことで、20%以上の運送費の削減につながることを強調している。同社が日本で販売している新品TBタイヤは、ほぼすべてがリグルーブできるように予めアンダートレッドを厚めに設定しており、それがケーシングを長く使用するための保護膜の役割を果たしている。
また3Rコンセプトを推進するため、販売ネットワークの強化にも努めている。現在、全国の独立系タイヤショップ50社以上とパートナーシップを組んでいる。ミシュランと協業しているショップは「パートナーディーラー」と呼ばれ、ユーザーに最適なソリューションを提案している。
さらに階層別に様々な研修プログラムを用意しているが、その中にあるリトレッドに特化した「パートナーシップ・プログラム・トレーニング」では、正常なケーシングの判定技術を学ぶ項目があるなど、リトレッドに関する知識の深いスタッフの育成に取り組んでいる。優秀なスタッフには、終了証を授与している。
一方、同社は委託リトレッドを推進する中で、ケーシングを回収、リトレッドを行い、さらに配送予定日までの工程を、発注者側がウェブで確認できるシステム「e―リトレッド」を2014年12月から運営している。従来は電話等で確認していた作業を、ウェブを活用することにより納期・納品本数がわかり、リトレッドできない理由などが迅速にわかるため、生産をスムーズに行うことができる。
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