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2024年12月期第1四半期業績

住友ゴム工業、過去最高の第1四半期業績に

決算 2024-05-14

 住友ゴム工業の2024年12月期第1四半期(1~3月)業績(IFRS)は、売上収益が2,913億6,000万円で前年同期比5.3%増、事業利益が231億8,300万円で同190.7%増、純利益が248億4,100万円で同520.2%増だった。第1四半期としては、過去最高の売上収益、事業利益、純利益となった。

 事業利益段階の増減要因をみると、増益要因は、原材料で38億円、数量・構成他で111億円、為替で53億円、産業品他で1億円の計203億円の増益。減益要因は、価格で1億円、直接原価で22億円、固定費で14億円、経費で2億円、スポーツで12億円の計51億円の減益。差し引き152億円の増益となった。

 セグメント別にみると、タイヤ事業は売上収益が2,440億9,200万円で同6.2%増、事業利益が182億7,800万円で同845.2%増。タイヤ販売本数は前年同期を下回ったものの、円安の影響もあり、売上収益と事業利益は過去最高を更新した。

 国内新車用タイヤは、一部の自動車メーカーにおける減産の影響などにより、販売量は前年同期を大きく下回った。国内市販用タイヤは、前年同期の値上げ前の駆け込み需要の反動と、3月下旬までの寒さにより冬タイヤから夏タイヤへの履き替えが遅れたことにより前年同期比で減少した。

 海外新車用タイヤは、主要市場の中国では増販したが、東南アジアにおいて出荷量が減少した影響で全体としても販売減となった。海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域において中国での販売は市況低迷の影響で低水準に推移。東南アジアでも総じて市況は低調で、販売は前年同期を下回った。欧州地域においては冬タイヤ販売時期が今春までずれ込む市場環境だったが、冬タイヤやオールシーズンタイヤの増販に努め、販売は前年同期を上回った。米州地域においては、北米では新製品を年初に発売した主力商品のワイルドピークシリーズを中心に販売は好調を維持し、前年同期を上回った。南米においては海上運賃の下落などを背景にマーケットに輸入品が増加したが、ほぼ計画通りの販売を行うことができ、前年同期並みとなった。

 スポーツ事業は売上収益が367億8,000万円で同3.5%増、事業利益が42億2,500万円で同22.6%減。売上収益は過去最高を更新した。

 ゴルフ用品は、新発売した13代目XXIOクラブが日本や北米で順調に推移したことなどにより、売上収益は前年同期を上回った。テニス用品は、欧州で販売が伸び悩み、売上収益は前年同期を下回った。ウェルネス事業では、値上げ効果などにより、売上収益は前年同期を上回った。

 産業品他事業は売上収益が105億6,000万円で同8.2%減、事業利益が6億6,800万円で同16.8%増。

 医療用ゴム製品については、国内生産分の販売は増加したが、欧州の製造・販売子会社株式の譲渡を1月末に実施したことにより欧州向け販売が大幅減となり、全体としても減収となった。また、インフラ事業の受注は増加したが、国内の使い切りゴム手袋や制振事業、OA機器用ゴム部品などで販売が減少した。

 業績予想を上方修正
 同社は2024年12月期第2四半期(1~6月)業績予想および2024年12月期通期(1~12月)業績予想の修正を発表した。それによると、第2四半期に想定よりもタイヤ販売本数がやや減少する見込みとなったが、利益面においては、主に円安が進行したことなどで、前回発表予想を上回る見込み。一方、通期業績予想については、下期に原材料高騰等の影響を受けると見込んでいる。

 ■2024年12月期第2四半期業績予想
 ◇売上収益=5,750億円(前回予想と変わらず)◇事業利益=375億円(前回予想345億円、増減率8.7%増)◇純利益=320億円(同235億円、同36.2%増)

 ■2024年12月期業績予想
 ◇売上収益=1兆2,000億円(前回予想と変わらず)◇事業利益=800億円(同)◇純利益=380億円(同370億円、増減率2.7%増)

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