クリヤマホールディングス、アジア事業は減収減益、北米事業は増収増益、欧州・南米事業は増収減益

　クリヤマホールディングスの2023年12月期（2023年1～12月）業績は、売上高が716億7,200万円で前期比0.3％増、営業利益が39億7,100万円で同12.9％減、経常利益が45億2,000万円で同9.1％減、純利益が37億9,300万円で同4.3％増だった。

　セグメント別にみると、アジア事業は売上高が275億100万円で同7.3％減、営業利益が23億4,800万円で同25.5％減。

　◇産業資材事業＝売上高が177億4,700万円で同3.0％減、営業利益が24億800万円で同11.8％減。日系建機・農機メーカー向けにゴム・樹脂商材の新規採用品目が増加したほか、日系自動車・船舶メーカー向け関連商材の販売が好調に推移。一方、尿素SCRなどの商材は、建機・農機および欧州乗用車の在庫調整が続いたことで販売が減少。また、中国経済の失速を受け、同国の建機生産台数が想定を下回ったことから関連商材の販売が減少した。利益面では価格転嫁を上回る調達コストの増加が利益を押し下げた。

　◇スポーツ・建設資材事業＝売上高が90億4,500万円で同14.9％減、営業利益が2億5,100万円で同59.2％減。スタジアム、体育館などの文教施設における改修、新設物件への営業強化により関連商品の販売が増加。また、鉄道の駅舎工事案件の受注に伴い、ホーム先端タイルや高密度コンクリート階段材の販売が増加した。一方、国内商業施設で使用される大判セラミックタイルは販売が減少した。利益面では減収に加え、工事材料費や人件費高騰の影響で減益となった。

　◇その他事業＝売上高が7億700万円で同4.3％減、営業損失が3億1,100万円（前期は1億9,100万円の損失）。イタリアのスポーツアパレルブランド「MONTURA」は、量販店への販売が減少。また、ダストコントロール事業は市場規模が緩やかな縮小傾向にあるものの、大手顧客向けにマットなどの新規採用品目が増加したため、前期並みの販売を確保した。利益面では広告宣伝やマーケティング活動、新規出店に伴う費用の増加で損失幅が拡大した。

　北米事業は売上高が389億7,500万円で同5.2％増、営業利益が21億5,600万円で同6.0％増。景気後退懸念を背景に一部の市場で在庫調整の傾向がみられたが、各種ホース・継手の販売は幅広い分野で底堅く推移。利益面では支店倉庫の新設や本社および物流倉庫の移転・拡張に伴う費用が発生したものの、物流機能の最適化を促進したことから増益となった。

　カテゴリ別の動向をみると、産業用樹脂ホース「Tigerflex」は、インフラ公共投資に関連する建設業をはじめ、製造業、鉱業等、幅広い分野の需要を捉えたことで総じて販売が好調に推移。高機能／汎用樹脂ホース・飲料用ホース「Kuri Tec・Accuflex」は、飲料用ホースは大手飲料メーカーやコンビニエンスストア向けへの販売が高水準を維持。その一方で、汎用樹脂ホースは年末にかけて代理店の在庫消化速度が鈍化した影響を受けて販売が減少。ペイントスプレーホース・下水配管洗浄用ホース「Piranha」は、外壁塗装用ペイントスプレーホースは価格転嫁の進展により収益性が改善したものの、市場の在庫調整により販売が軟調。一方、下水配管洗浄用ホースの販売は活況なインフラ整備の影響を受け、好調に推移。ゴムホース・その他は、製造業、一般産業などにおける新規顧客獲得に加えて建設業の活況を受け、低圧用、高圧用共にゴムホースの販売が増加。また、消防用ホースは旺盛な需要を見越した営業体制強化が奏功したことで米国市場におけるシェア獲得が進展し、販売が好調に推移した。

　欧州・南米事業は売上高が51億9,500万円で同9.2％増、営業利益が3億4,000万円で同6.0％減。欧州域内および南米地域における地産地消の優位性を活かした営業活動により、消防機関向け「消防用ホース・ノズル」および農業・一般産業分野向け「レイフラットホース」の販売がスペイン・ポルトガルを中心に堅調に推移。また、アルゼンチンにおけるオイル・ガス生産量の増加に牽引され、長距離送水用「大口径レイフラットホース」の販売が好調だった。利益面ではアルゼンチンの子会社に対する超インフレ会計適用で減益となった。

　2024年12月期通期業績は、売上高730億円で前期比1.9％増、営業利益44億円で同10.8％増、経常利益49億円で同8.4％増、純利益33億円で同13.0％減を見込んでいる。