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2023年12月期第3四半期業績

クリヤマホールディングス、北米事業と欧州・南米事業は増収増益

決算 2023-11-08

 クリヤマホールディングスの2023年12月期第3四半期(1~9月)業績は、売上高が551億5,500万円で前年同期比2.6%増、営業利益が34億4,200万円で同3.2%増、経常利益が38億7,800万円で同5.4%増、純利益が27億1,800万円で同1.6%増だった。

 セグメント別にみると、アジア事業は売上高が202億8,500万円で同7.9%減、営業利益が18億7,900万円で同11.9%減。

 ◇産業資材事業=売上高が133億500万円で同1.3%減、営業利益が19億6,800万円で同7.6%増。主要顧客である日系建機・農機メーカーへのゴム・樹脂商材の新規採用品目が増加したほか、顧客の生産台数が回復基調に転じたことから国内自動車向け関連商材の販売が好調に推移。一方、欧州乗用車メーカーの生産台数が想定を下回った影響から尿素SCR商材の販売が減少した。

 ◇スポーツ・建設資材事業=売上高が64億5,900万円で同19.4%減、営業利益が1億3,700万円で同66.9%減。スタジアム、体育館などの文教施設における改修、新設物件への営業強化が奏功し、陸上競技用全天候舗装材および体育館用床材の販売が増加。また、鉄道の駅舎案件の受注に伴い、「エンシン階段」の販売が増加。一方で国内の商業施設で使用される大判セラミックタイルは民間の大型設備投資案件が一巡したことから販売が減少した。

 ◇その他事業=売上高が5億2,000万円で同1.2%減、営業損失が2億2,600万円(前年同期は1億1,000万円の損失)。イタリアのスポーツアパレルブランド「MONTURA」は、名古屋への直営店出店により店舗販売が増加したが、eコマース、量販店における販売が伸び悩んだ。

 北米事業は売上高が304億9,200万円で同8.5%増、営業利益が18億9,000万円で同11.6%増。景気後退の懸念を背景に一部の市場で在庫調整期に入りつつあるものの、物流機能の最適化に向けた取り組みが各種ホース・継手の販売機会を獲得した。

 商品別動向は次の通り。
 ◇産業用樹脂ホース「Tigerflex」=インフラ公共投資に関連する建設業をはじめ、製造業、鉱業等、幅広い分野の需要を捉えたことで販売が好調に推移した◇高機能/汎用樹脂ホース・飲料用ホース「Kuri Tec・Accuflex」=大手飲料メーカーやコンビニエンスストア向けに飲料用ホースの販売が高水準を維持したことに加え、製造業の活況を受け、エアーツール用や配送用ホースの販売が増加した◇ペイントスプレーホース・下水配管洗浄用ホース「Piranha」=市場の在庫調整が続く外壁塗装用ペイントスプレーホースは販売が軟調だったが、インフラ整備が活況だった影響を受けて下水配管洗浄用ホースの販売が好調に推移した◇ゴムホース・その他=製造業、一般産業等における新規顧客獲得に加えて建設業の活況を受け、低圧用、高圧用共にゴムホースの販売が増加。また、消防ホースの旺盛な需要を見越した営業体制強化により米国市場での販売が好調に推移した。

 欧州・南米事業は売上高が43億7,700万円で同21.1%増、営業利益が4億2,500万円で同45.4%増。欧州域内および南米地域における地産地消の優位性を活かした営業活動により、消防機関向け「消防用ホース・ノズル」および農業・一般産業分野向け「レイフラットホース」の販売が増加。また、アルゼンチンにおけるオイル・ガス生産量の増加に牽引され、長距離送水用「大口径レイフラットホース」の販売が好調だった。

 2023年12月期通期業績予想は、売上高710億円で前期比0.7%減、営業利益42億円で同7.9%減、経常利益46億円で同7.5%減、純利益33億円で同9.3%減を見込んでいる。

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