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2023年3月期業績

アキレス、原材料価格、エネルギー、物流費などコスト上昇が響く

決算 2023-05-15

 アキレスの2023年3月期業績は、売上高が829億1,700万円で前期比9.2%増、営業損失が7億1,300万円(前年同期は8億5,500万円の利益)、経常損失が1億1,700万円(同15億9,500万円の利益)、純損失が12億400万円(同15億2,500万円の利益)。原材料価格・エネルギーコストや物流費の上昇、円安などへの対応としてコストダウン活動や価格改定を実施したものの、コスト上昇分を補うことができずに減益となった。また、建装資材の床材と断熱資材で減損損失を計上した。

 セグメント別のうち、プラスチック事業は売上高が422億2,300万円で同15.7%増、営業利益が19億5,100万円で同23.1%減。

 <中間財>=売上高は394億1,100万円で同15.6%増。車輌内装用資材は、自動車メーカーの生産回復と円安の影響により好調に推移。フィルムは、市場での在庫調整局面によりエレクトロニクス用フィルムが低迷したほか、長引く欧州の景気低迷によりエクステリア用フィルムが苦戦したが、北米向け医療用フィルムや生分解性フィルムが堅調に推移。建装資材は、壁材は新柄投入効果により好調に推移。なお、床材は原材料価格・エネルギーコストの上昇やクッションフロア市場の環境の変化などにより収益性が低下し、短期的な回復が見込まれないため、固定資産の減損損失を計上した。

 <消費財>=売上高は28億1,200万円で同17.1%増。防災対策商品は、国内の救助用エアーテント、インフラ関係製品の販売が好調に推移した。

 産業資材事業は売上高が293億600万円で同4.8%増、営業利益が8億8,900万円で同37.1%減。

 <中間財>=売上高は284億8,900万円で同4.6%増。ウレタンは、車輌用が回復したが、寝具用は苦戦。断熱資材は、ボード製品、パネル製品、スチレン製品ともに低調に推移。なお、原材料価格・エネルギーコストの上昇や持家の住宅着工戸数の減少傾向など厳しい市場環境により収益性が低下し、短期的な回復が見込まれないため、固定資産の減損損失を計上した。工業資材は、半導体分野向けウエハー搬送用部材が国内、海外向けともに好調に推移した。

 2024年3月期業績は、売上高840億円で前期比1.3%増、営業利益10億円(前期は7億1,300万円の損失)、経常利益14億円(同1億1,700万円の損失)、純利益12億円(同12億400万円の損失)を見込んでいる。

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