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2022年12月期第3四半期業績

昭和電工、クロロプレンゴムは他製品に比べ落ち込み少ない

会員限定 決算 2022-11-07

 昭和電工の2022年12月期第3四半期(1~9月)業績は、売上高が1兆341億5,200万円で前年同期比1.7%減、営業利益が535億3,600万円で同25.6%減、経常利益が641億2,500万円で同12.5%減、四半期純利益が396億8,000万円(前年同期は103億3,000万円の損失)だった。

 セグメント別のうち、クロロプレンゴムが含まれるケミカルは売上高が3,769億7,600万円で同23.8%増、営業利益が193億2,100万円で同37.5%減。

 石油化学は大型定修があったものの、ナフサ価格高騰による販売価格の上昇により売上高は増収。営業利益は大型定修による販売数量減少やスプレッド縮小により減益となった。また、化学品は原燃料価格高騰の影響を受けた販売価格上昇により増収となったが、営業利益は価格転嫁のタイムラグにより減益。黒鉛電極は主に販売価格上昇により売上高、営業利益ともに増加した。

 「クロロプレンゴムについては、上期(1~6月)は物流の混乱、特に海上コンテナ輸送の混乱の影響で、当初予定していた物量がデリバリーできない状況だった。下期以降は海上コンテナ輸送も持ち直し、主要市場である北米向けの輸出が軌道に乗るようになってきた。また、円安の追い風が強く効いていることに加え、原材料価格上昇分の価格転嫁が比較的うまくいっていることから、他の化学品と比較すると落ち込みはそれほど大きくなっていない。通期見通しについては主要市場である北米は他の地域と比べると金利上昇の中にはあるが、そこまで物量が減速していないため、他の製品よりは比較的堅調に推移するのではないかとみている」(染宮秀樹取締役・常務執行役員・CFO)

 通期業績予想を下方修正
 同社は2022年12月期通期業績予想を下方修正した。売上高については、足元の需要減速を反映し、主に半導体・電子材料、ケミカルの2セグメントでの減少が見込まれるため。営業利益については、売上高の下方修正、原材料価格やエネルギーコスト上昇の影響を受けるため。また、それに伴い、経常利益、当期純利益も下方修正する。

 ■2022年12月期通期業績予想
 ◇売上高=1兆4,100億円(前回予想1兆5,000億円、増減率6.0%減)◇営業利益=560億円(同840億円、同33.3%減)◇経常利益=620億円(同850億円、同27.1%減)◇当期純利益=220億円(同320億円、同31.3%減)

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