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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、上海ゴムの値崩れ再開

2017-10-02


(マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努)

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1キロ=210円台をコアとした保ち合いを経て、205円水準まで軟化する展開になっている。上海ゴム相場が1トン=1万4,000元台中盤のボックス相場を下放れしたことが嫌気され、改めて下値を切り下げている。為替相場は円安気味に推移したが、8月4日以来の安値を更新している。

 上海ゴム相場が9月27日の時間外取引で突然に急落したことが、東京ゴム相場も大きく押し下げている。天然ゴム需給見通しに大きな修正を迫るような動きが報告されている訳ではないが、鉄鉱石や石炭など中国コモディティ相場は全面安の展開になっており、その流れの中で上海ゴム相場も改めて下値を切り下げている。

 中国は10月1-8日が国慶節の連休入りとなるが、特に連休前の調達拡大の思惑で買われることも、調達一巡の思惑から売られることもなく、短期需給動向は殆ど材料視されていない。

 1)マクロ環境としては、金融リスク軽減のための政策引き締めに対する警戒感、2)環境規制の強化に伴う工場閉鎖の影響なども指摘可能であり、特に10月18日から共産党大会が始まる中、政策が突然に大きく修正されることに対する警戒感も強い。

 ただ、9月上旬以降の急落地合に関しては明確な理由付けが難しく、中国コモディティ相場全体からの資金引き揚げの流れの中に位置づけるしかないだろう。人民元相場の急落など、むしろ人民元建てゴム相場の押し上げ要因になる材料もみられたが、資金引き揚げの流れが形成されている以上、6月の1万2,000元台まで更に調整売りが膨らむ可能性もある。

 産地の集荷量は抑制されている。降水量は概ね例年並みであり、土壌水分環境については農産物生産に適した状況が報告されている。天然ゴムのみならず、コメやパーム油生産にも適した状況と言える。ただ、価格低迷が進む中で在庫の売り渋り的な動きも観測されており、タイ中央ゴム市場でも未燻製シート(USS)、RSSともに荷動きが鈍化している。

 もっとも、産地主導で安値是正を進めるような動きはみられず、産地相場も上海ゴム相場の動向に一喜一憂するだけの展開が続いている。USSが1キロ=50バーツ台を割り込む中、産地政府による市況対策の動きが本格化するかが注目される程度である。

 目先は中国市場の連休入りで東京ゴム相場は動意を欠き易く、円や原油相場の動向などを眺めながらのポジション調整中心の展開になり易い。ただ、上海ゴム相場が連休入り直前に急落したことは、10月中旬以降に下振れリスクを残すことになろう。

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