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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、中国経済の回復期待で堅調

連載 2022-06-06

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は、1キロ=250円台後半まで値上がりする展開になった。中国経済の正常化期待が強まるなか、安値修正の動きが一段と本格化している。産地相場の堅調地合が続いていること、為替が円安方向に振れたこともポジティブ。250円の節目突破でトレンドフォローの買いも膨らみ、4月22日以来の高値を更新している。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万3,000元台前半でじり高の展開になっている。全般的に値動きは鈍いが、それでも戻り高値更新は続いており、こちらも4月21日以来の高値を更新している。

 中国では新型コロナウイルスの感染状況が注目されているが、新規感染者数は明確な減少傾向にある。6月入りしたことで上海市はロックダウン(都市封鎖)の解除に着手し、6月中旬から下旬にかけて経済活動の完全な正常化を目指す。また、北京でも行動規制の緩和が進んでおり、経済活動の急激な回復が見込まれていることが、ゴムに限らず原油や鉄鉱石、非鉄金属など幅広いコモディティ相場を押し上げている。

 しかも中国政府は5月31日、新型コロナのダメージからの回復を支援するため、33項目からなる景気刺激策を打ち出している。インフラ整備、新車販売支援など、ゴム需要に直接的な影響がある分野も含まれていることがゴム相場を強く刺激している。

 一方、タイ中央ゴム市場の現物相場は、6月2日時点でUSSが前週比0.2%安の65.23バーツ、RSSが同1.6%高の70.81バーツ。ともに戻り高値の更新が続いている。USSは高値から若干下押しされたが、低集荷環境が維持されている。

 異常気象・ラニーニャ現象の影響で世界的に気象環境が不安定化しているが、東南アジアでは引き続きモンスーンによる豪雨や洪水被害が報告されている。洪水被害に関しては一時期と比較すると落ち着きはじめているが、豪雨はタイを中心に東南アジア全域で報告されており、不安定な供給環境が続いている。現状では、JPXゴム相場の期近限月に対してプレミアムを加算していくような動きは鈍いが、異常気象も産地相場高を通じて消費地相場を支援している。

 為替市場で円安傾向が強くなっていることも円建てゴム相場にはポジティブ。過去1週間で1ドル=127円水準から130円水準まで円安・ドル高が進行している。改めて米金利上昇圧力が強くなっている影響であり、円安傾向が維持されると上海ゴムや産地相場の動向と関係なく、JPXゴム相場は上振れするリスクが高まる。原油高が進行していることも心理的な支援材料になっている。

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