【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、株高環境で底固い展開に
連載 2025-07-07
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=300円水準で売買が交錯した後、一時317.40円まで上昇して5月29日以来の高値を更新した。中東地政学リスクの緩和、通商環境の改善期待、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測などが、リスク投資のセンチメント改善を促し、ゴム相場も値上がりした。為替は円高傾向を維持したが、ゴム相場は底固さが目立った。

上海ゴム先物相場は、1トン=1万4,000元水準で売買が交錯した。底固さがみられたものの、大きな値動きには発展せず、小動きに終始している。
中国の6月製造業PMIは、国家統計局発表で前月の50.3から50.5まで、財新発表で同48.3から50.4まで、それぞれ改善した。依然として低調な数値であることに変わりはないが、米中両国の通商協議再開といった動きもあり、企業センチメントが改善したことがうかがえる。ただし、非鉄金属や原油相場は若干の値上がりに留まっており、ゴム相場も大きな値動きには発展しなかった。
世界的に株高傾向が強くなったことはポジティブ。米国株はS&P500種とNASDAQ総合指数が過去最高値を更新し、日経平均株価も一時は4万円台を回復し、2024年7月以来の高値を更新している。ただし、株高が一服した後もゴム相場は底固さを維持しており、株価との間に明確な連動性は認められない。
一般的に、上海ゴム相場の値動きが鈍い状態でJPXゴム相場のみが上昇するのは、為替要因の売買が活発化した場合が多い。しかし、7月下旬以降の為替相場では、6月23日の1ドル=148.02円をピークに、143円台まで急激な円高・ドル安圧力が発生している。このため、為替要因であれば円建てゴム相場は値下がりしやすい環境にあったが、円高要因で大きな値下がりはなく、逆に底固さの方が目立った。
JPXゴム相場は、株価、円相場、上海ゴム相場とも明確な関係性が認めらない、投機色の強い展開になった。単純に300円の節目水準での売買から上放れしたことで、チャート主導の買いが膨らんだ影響も大きそうだ。
供給サイドの動向は、引き続きあまり材料視されていない。中国南部や東南アジアの一部で豪雨が報告されているが、供給リスクのプレミアムを加算していくような値動きは鈍い。消費地相場も、期近限月に対してプレミアムを加算するような動きは確認できなかった。産地相場は明確な方向性を打ち出せていない。
トランプ米大統領の「相互関税」上乗せ分の一時停止期限が7月9日に迫っているが、通商環境を手掛かりとした売買は見送られた。
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