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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、2年11カ月ぶり高値更新

連載 2024-01-29

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=280円台後半まで急伸し、2021年2月以来の高値を更新した。産地相場の上昇ペースが加速するなか、2023年10月19日に付けた直近高値276.90円を上抜く急伸地合が形成された。為替市場の円安圧力は一服したが、原油相場が底固く推移したこともポジティブ材料視されている。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万3,000元台中盤から後半で乱高下する展開。週中盤は産地相場の急伸に逆行して急落したが、週後半は押し目買いが入り、明確なトレンド形成には至っていない。中国経済の減速に対して根強い警戒感がある一方、1月24日には中国人民銀行(中央銀行)が預金準備率を0.50%引き下げることを発表するなど、政策支援に対する期待感も強い。短期投機筋主導の不安定な地合が続いている。

 一方、産地相場は前週に続いて急伸地合を形成している。タイ中央ゴム市場(ソンクラ)のRSS現物相場は、1月25日時点で前週比6.9%高の1キロ=68.58バーツに達している。年初の57.30バーツからはすでに19.7%高になっている。

 産地集荷量には特に目立った変動はみられない。ウインタリング(落葉期)に差し掛かっていることで、減産シーズン入りも意識され始めるが、現時点では供給環境に目立った変化はみられない。

 大きな変化が生じているとみられるのは需要サイドだ。2月10~17日が中国の春節(旧正月)になるため、需要家の在庫手当の動きが活発化していると報告されている。

 ゴムに限られた動きではないが、春節の連休を前に在庫手当が強化されており、価格が急伸しているもののサプライチェーンに混乱が生じることが最優先される中、相場の急伸が容認されている。あくまでも春節対応の動きであれば、将来の需要を先取りしているだけであり、在庫手当が一巡すると価格水準が元の水準に戻す可能性もある。ただし、2023年も1月中旬から下旬にかけても春節を前に急伸地合を経験しているだけに、季節要因の上昇がいつまで、どの程度続くのかが注目されている。

 産地相場の急伸を受けて1月25日に受け渡し日を迎えた1月限が急伸したが、2月限以降には大きなプレミアムを加算するような動きはみられない。現時点では、産地相場の急伸は一時的な動きとみている向きが多いことがうかがえる。産地相場は急伸したが、1月限を除くとサヤバランスの大きな乱れはみられなかった。

 1月22~23日に日本銀行金融政策決定会合が開催されたが、為替はやや円高に振れた。日銀のマイナス金利解除が近いとの思惑が強くなっている。

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