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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、株反落も小幅安に留まる

連載 2020-09-28

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 JPX天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=180円台前半でやや上値の重い展開になった。4連休明けの取引になるが、連休中に欧州で新型コロナウイルスの感染被害が広がりを見せていることが材料視され、調整売りが上値を圧迫している。ただ産地相場が高値保ち合い気味の展開になる中、消費地相場のみを大きく押し下げるような動きまではみられず、総じて小幅安に留まった。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万2,000元台前半でやや上値を圧迫される展開になっている。

 欧州では8月以降に新型コロナウイルスの第2波が観測されていたが、新規感染者数が改めて急増していることが、マーケット環境全体を不安定化させている。フランスやスペインの1日当たりの新規感染者数は1万人を超え始めており、飲食店やイベントなどの営業規制が強化されている。感染被害が著しい地域では、部分的にロックダウン(都市封鎖)を導入するような動きも報告されている。

 各国ともに経済へのダメージがあまりに大きい全面的なロックダウンの再導入には否定的であり、感染対策と経済対策の両立を目指す方針に変化は生じていない。しかし、このまま感染被害が広がりをみせれば、経済活動に大きな影響が生じるリスクもあるだけに、株価や資源価格全体が強力な調整圧力に晒されている。

 新車やタイヤ販売に対して影響が生じるのかは、今後の感染被害の状況、行動規制の導入状況に依存するが、ゴム需要見通しに対してリスクが浮上していることが、上値圧迫要因になっている。

 タイ中央ゴム市場の現物相場は、9月24日時点でUSSが前週比1.6%高の1キロ=54.37バーツ、RSSが同1.9%安の56.16バーツとなっている。RSSは価格動向に応じて集荷量が増減を繰り返しており、トレンドが定まっていない。50バーツ台前半では荷動きが鈍いが、60バーツ近辺では荷動きが活発化する傾向にある。一方、産地ではモンスーンによる豪雨が報告されていることもあり、USSの供給量は抑制されている。結果的にUSSは改めて上昇傾向を強める一方、RSSは乱高下が繰り返される不安定な値動きになっている。

 世界的に株価が急落するなど、リスク資産全体の値動きが不安定化し易くなっている。欧州の新型コロナ感染被害の第2波、米国における追加経済対策の議論の遅れなどが、ゴム相場にとっても下振れリスクになる。ただ、産地相場は総じて堅調地合を保っており、リスクオフ環境の中で大きな値崩れを回避したことで、ゴム相場は一定の底固さを示した格好になっている。

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