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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、方向性出ず、株価に一喜一憂

連載 2020-03-09

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=170円台前半をコアに方向性を欠く展開になった。3月2日の取引では瞬間的に160.10円まで急落し、昨年10月11日以来の安値を更新した。しかし、その後は世界的な株安傾向に歯止めが掛かったこともあり、170円台まで切り返している。もっとも、新型コロナウイルスの感染被害拡大に対しては根強い警戒感があり、前週比ではほぼ横ばい状態に留まっている。

 上海ゴム先物相場も、一時は1トン=1万535元まで急落したが、その後は1万1,000元台前半まで切り返す展開になっている。

 ゴム市場においても新型コロナウイルスが最大の関心事になっている。感染被害は依然として世界的な広がりを見せており、未だピークが見えてこない状況にある。特に、米国でも感染者数が急増しはじめていることには注意が必要であり、先行き不透明感が強い。

 国際通貨基金(IMF)は、2020年の世界経済の成長率が、世界同時金融危機の発生した直後の2009年以来の低水準になるとの見通しを示している。1月時点では3.3%を予想していたが、2.0%まで下方修正する方向で検討を行っている。

 このまま社会不安が広がりを見せ、経済活動の停滞が進めば、タイヤ需要にも大きな影響が生じることになる。サプライチェーンの混乱は自動車生産環境に不確実性をもたらしている一方、消費者マインドの悪化で耐久財消費が落ち込む中、新車販売環境も急激に悪化している。

 一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)が3月3日に緊急利下げに踏み切るなど、各国で政策対応が強化されている。金融緩和に加えて、新型コロナウイルスの対策費として臨時予算を計上する動きが世界的な広がりを見せており、2月末にかけてみられたパニック的な株価急落には歯止めが掛かっている。

 政策対応で金融市場の混乱にブレーキを掛けている間に、新型コロナウイルスの経済インパクトを終息方向にもっていくことができるのか評価が割れており、ゴム相場に限らず株価や主要コモディティ相場は不安定な値動きを繰り返している。天然ゴムの詳細な需給動向はほとんど議論されておらず、リスクマーケット全体の地合が重視されている。

 タイ中央ゴムの現物相場は、3月5日時点でUSSが前週比0.9%高の1キロ=42.24バーツ、RSSが同0.3%安の45.41バーツ。消費地相場と同様に不安定な値動きが続いている。乾燥傾向が続いているが、集荷量にも特に目立った変化はみられず、消費地相場主導の価格形成が続いている。

(マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努)

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