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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、米中通商リスクで軟調

連載 2019-05-13


マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=180円台中盤、TSRが160円水準まで下落する展開になった。東京市場は4月27日から5月6日まで異例の10連休となったが、その間の上海ゴム先物相場や産地相場に目立った動きが見られない中、連休前後でゴム相場に目立った値動きはみられなかった。しかし、5月6日にトランプ米大統領が2,000億ドルの中国製品に対する制裁関税を10日に現在の10%から25%まで引き上げると発表すると、資源価格全体に下押し圧力が強まり、その流れの中で東京ゴム相場も軟化した。原油相場の軟化、為替相場が円高方向に振れたことなどもネガティブ材料視されている。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万1,000元台後半まで若干ながら値位置を切り上げている。米中通商リスクの蒸し返しで上海株式相場は2月下旬以来の安値を更新しているが、上海ゴム相場は一時1万2,000元台を回復するなど、逆に強含みの展開になっている。中国株安と同時に通貨人民元も大きく売り込まれる中、人民元建てゴム相場の値下がりは回避された。中国市場では、鉄鉱石や石炭なども株価に逆行高になっており、人民元相場が対ドルで約4カ月ぶりの安値を更新する急落地合を形成したことが重視されていることが窺える。ただ、その上海ゴム相場も1万2,000元台乗せから更に大きく上値を切り上げる展開は見送られており、ここ最近のボックス相場から大きく逸脱するような値動きにはならなかった。

 タイ中央ゴム市場の現物相場は、USSが前週比0.6%高の1キロ=51.15バーツ、RSSが同0.7%安の53.40バーツ。大型連休入り前と比較しても、産地相場には目立った変動はみられない。タイ北部ではやや乾燥傾向がみられるが、南部やマレーシア、インドネシアなどでは安定した降雨が観測されており、土壌水分不足に対する懸念が後退している。まだ例年と比較すると乾燥気味だが、ゴムの他にパーム油などの生産環境についても改善報告が目立つ。中央ゴム市場の集荷量は特に大きく上振れしていないが、減産期から生産期への移行は概ね順調に進む見通し。特に天候不順で減産期が長期化するハード・ウインタリングに対する警戒感は浮上していない。

 上海ゴム相場の動向が注目されているが、目先は9-10日の米中通商協議の結果が注目されることになる。ここで株価急落、資源安、円高といった動きが強まると、5月下旬にかけてゴム相場の下振れリスクは高まる。国内では、過剰在庫環境が続いていることにも注意が求められる。一方、米中通商協議が株高、円安を促すと190円台確立が打診される。

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