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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、上海主導の反発が息切れか

連載 2019-04-22


マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=195.70円まで上昇して3月15日以来の高値を更新した後、180円台後半まで反落する展開になった。TSRも176.30円まで上昇した後、170円台を割り込む展開になっている。

 3月の急落地合から一転して、4月入りしてからは安値修正の動きが優勢になっていた。世界的な株高、資源高の流れもあり、上海ゴム相場主導で東京ゴム相場も反発局面に移行した。しかし、その上海ゴム相場の反発に息切れ感が見え始める中、戻り売り優勢の展開に回帰しつつある。

 上海ゴム先物相場は3月末に1トン=1万1,000元割れを打診したのに対して、4月15日には1万2,120元までの切り返しを見せていた。しかし、1万2,000元の節目を完全に上抜くことはできず、1万1,000元台中盤まで反落する展開になっている。

 中国経済に関しては、過度の減速懸念が後退している。1-3月期国内総生産(GDP)は前年同期比6.4%増となり、昨年10-12月期から横ばいになっている。景気減速で成長鈍化に対する懸念が広がっていたが、中国政府による各種景気刺激策、人民銀行(中央銀行)による金融緩和などを受けて、比較的早い段階で景気鈍化にブレーキが掛かっている。この流れで非鉄金属など産業用素材は全般的に上昇圧力に晒されているが、ゴム相場は一段高を打診することに失敗している。

 タイ中央ゴム市場の現物相場は、4月18日時点でUSSが前週比0.4%高の1キロ=51.03バーツ、RSSが同1.7%安の53.50バーツとなっている。産地相場は年間高値圏での取引きが続いているが、急ピッチな上昇傾向にはブレーキが掛かっている。エルニーニョ現象で東南アジアやインドの乾燥を警戒する声も聞かれるが、足元では適度の降雨が観測されており、特に産地主導の上昇圧力は確認できていない。

 一方、国内では大量の余剰在庫を抱えた状態が続いており、在庫の視点では値下がりによって入庫を抑制し、在庫環境を正常化することが求められている。実際に東京ゴム先物市場では、短期需給の緩みを示す順サヤ(期近安・期先高)が形成され続けており、需給の視点では値下がり対応の必要性を指摘する声が強い。

 投機色の強い上海ゴム相場の動向に左右される展開になっているが、このまま上海ゴム相場が1万2,000元を抵抗ラインにダウントレンドの形成を再開するか否かが焦点になる。特に、1万1,000元を割り込むと、上海主導で東京ゴム相場の下落リスクも高まる。ただ、東京市場は10連休を控えており、月末に向けては持ち高調整に終始し易い環境になる。

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