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海外進出、環境意識など進む

あらためて平成を振り返る

その他 2019-04-22


 天皇陛下の退位に伴い、「平成」は4月30日で幕を下ろし、5月1日からは「令和」という新たな時代が幕を開ける。ゴム関連業界にとって、「平成」はどのような時代だったのか。平成最後の発行となる今号で、改めて「平成」を振り返ってみた。

 ■人手不足
 平成元(1989)年のニュースを振り返ると、「商工ともに深刻な労働力不足」とある。それから30年経った現在、ゴム関連業界は同様の状況に置かれている。

 本紙が実施した平成元年当時のトップアンケートでは、メーカー、商社合わせ80%近いトップが「人手不足」と回答した。昨年12月に実施したトップアンケートでは、メーカートップの80.8%、商社トップの75.8%が「人手不足」と回答。当時も今も人材確保に苦労している様子が見て取れる。

 ただ、要因は少々異なるようだ。当時はバブル景気の真っ只中。好況を受け、各企業の労働力不足が顕在化した。足元も戦後最長の好景気と言われるが、実感はそれほどないだろう。むしろ、会社の次代を担う若手の絶対数が不足している。内閣府の数字によると、平成元年に二十歳になった人が生まれた昭和44(1969)年の出生数は188.9万人。一方で平成30(2018)年に二十歳を迎えた平成10(1998)年の出生数は120.3万人。3分の2にまで激減している。

 ■時短
 平成3(1991)年にはゴム労連が時短、60歳定年延長、育児休暇制度など労働条件改善に取り組み始めたとある。中でも時短については、人材確保、安定成長に不可欠の要素として、経営側も理解を示したそうだ。

 今年のゴム連合の「2019春季生活改善のとりくみ方針」では、賃金や一時金に加え、ワーク・ライフ・バランスに重点が置かれ、過重労働対策や総実労働時間の縮減に取り組む方針等が示された。

 日本人の労働時間は世界でも長いと言われている。一方、近年ではAIや自動化の活用が強く叫ばれている。「令和」の時代は時短、総労働時間の縮減ではなく、ひょっとすると労働そのものが無くなっている。そんな時代がくるかもしれない。

 ■進んだ海外進出
 平成は企業の海外進出が活発に行われた時代だった。自動車メーカーの海外進出に併せ、部品メーカー、商社の海外進出が進んだ。

 それは輸出額からもうかがえる。ゴム製品の輸出額が初めて1兆円を突破したのが平成19(2007)年。しばらくは、その翌年に起こったリーマン・ショックの影響を受けたが、平成25(2013)年には再び1兆円を回復し、平成26(2014)年もそれに続いた。ただ、それ以降に1兆円を超えた年はない。

 輸出に影響する為替環境は、平成25年の平均が97.71円、平成30年は110.39円。昨年の方が10円以上も円安で為替環境として決して悪くなかったものの、輸出額は平成25年に比べ13.6%も減少している。輸出ではなく、現地生産への切り替えが進んだことがうかがえる。

 ■環境を意識した取り組み
 平成後半になると、環境を意識した取り組み、新材料、新技術が続々と出てきた。

 その代表的な取り組みの一つが、平成22(2010)年に日本自動車タイヤ協会(JATMA)が業界自主基準として、世界に先駆け策定した「タイヤラベリング制度」。転がり抵抗性能が一定値を満たすタイヤを「低燃費タイヤ」と定義づけた。

 制度開始以降、低燃費タイヤは年々増加し、JATMAまとめによると、平成29(2017)年には販売されたタイヤの79.1%を占めた。低燃費タイヤは、タイヤ使用時のCO2排出量削減に寄与する。この取り組みによってCO2排出量は大幅に削減されている。

 インターネット、スマートフォン、AIなどによって、平成後半は世界情勢やものの価値観が大きく変化した。「令和」がどのような時代になるかを想像することはできないが、ゴム関連業界に今までと違う変化が求められることは、間違いなさそうだ。

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