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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、年末・年始は膠着化

連載 2018-01-17


 マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1キロ=200-210円の狭いレンジ内で膠着気味の展開になっている。年末・年始を挟んで上海ゴム相場に全くと言っても不思議ではない程に動きが見られない中、狭いレンジ内でのポジション調整に終始している。世界的な株高、原油相場の急伸などグローバルマーケットは大きな動きを見せているが、ゴム相場はこうした動きから取り残されており、東京市場では売買高も極端に落ち込んだ状態になっている。

 年初に注目されたのは中国の経済指標だった。仮にここで良好な実体経済環境が示されれば、ゴム相場に対しても改めて投機マネーの流入が活発化する可能性が存在したためだ。しかし、12月の製造業PMIが前月の50.8から51.5、非製造業PMIが51.9から53.9まで上振れしたことはともに材料視されておらず、上海ゴム相場は1トン=1万4,000元水準の狭いレンジ内での小動きに終始している。

 タイ、インドネシア、マレーシアは3月までに最大35万トンの輸出規制を実施することになっているが、こうした生産国の動向も殆ど材料視されていない。売買テーマが設定できない状況が続いており、上海ゴム相場が1万4,000元割れから値崩れを起こすのか、それとも1万4,000元水準をサポートラインに再び上値を試すのかだけが注目される地合になっている。

 鉄鉱石や石炭など、中国市場における他の産業用素材市況は総じて強含みに推移しており、ゴム相場のみが大きく値崩れを起こすリスクは限定される。ただ、原油相場が2014年12月以来の高値を更新したこと、世界的な株価急伸も全く材料視されていない相場であり、上海ゴム市場の投機筋が新たな売買テーマを設定できるのを待つ時間帯が続いている。

 日本ゴム輸入協会によると、昨年12月20日時点の全国営業生ゴム在庫は、10日時点の9,738トンから1万739トンまで増加している。10月10日の5,302トンをボトムに約2倍の水準まで急増しているが、マーケットでは特に材料視されていない。在庫増加を手掛かりに期近限月から値崩れを起こすことも、今後の減産シーズン入りを見据えて期先から買い進むこともない。

 多くの市場関係者が、何がゴム相場を動かすのか把握できない状況に陥っており、それがゴム相場のボラティリティを低下させ、売買見送りから更に相場を膠着化させる悪循環に陥っている。中国の経済指標も生産国の市況対策も材料視されていない相場であり、中国投機マネーが旧正月に向けてどのような動きを見せるのか、強い不確実性に包まれている。

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