近年、防災や安全への意識が高まるなか、建物の揺れを抑えて命と暮らしを守る免震の重要性はますます大きくなっている。日本免震構造協会(古橋剛会長=日本大学元教授)では、免震の認知度向上を目的としてタレントの大桃美代子さんを免震アンバサダーとして迎え、10月21日に建築家会館本館(東京都渋谷区)で就任式を開催した。

アンバサダーに就任した大桃さん(左)と古橋会長

 大桃美代子さんは新潟県魚沼市出身で、タレント、キャスターとしてテレビやラジオなど幅広い分野で活躍するとともに、1995年の阪神・淡路大震災、2004年の新潟県中越地震で自ら被災したことをきっかけに、防災・減災や被災地復興への取り組みを続けてきた。中越地震では帰省中の実家で被災し、その後も災害の記憶を風化させないための情報発信や地域活性化活動に注力している。現在は日本災害復興学会名誉会員などを務め、食、農業、地域、防災分野で活躍している。

 就任式の冒頭、古橋会長は「大桃さんは、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震を体験し、社会に対し強い力で情報を発信されている。地震に強い免震構造を広く世の中に普及させる目的を持つ当協会のアンバサダーとして、まさに最適な方と考えている。当協会では、そのためのサポートチームを立ち上げた。今後はその強力な発信力で免震構造の価値と重要性を日本に広め、我が国を地震に強い国にすることに貢献していただきたい」と期待を示した。

 その後、古橋会長から大桃さんに免震アンバサダー就任の委嘱状が授与され、名刺パネル・名刺も贈呈された。

 大桃さんは「免震アンバサダーという大任に大変緊張している。新潟県中越地震をふるさとで被災したのが2004年10月23日で、今日と日付が近い。何か自分へのテーマが課せられているのではないかと感じている。建物には耐震と免震があり、大地震時には免震の方が守る力を発揮するのに、それがなかなか伝わらないことに歯がゆさを感じている。例えば、鎌倉の大仏には免震技術が使われているが、中が見えないので伝えることが難しい。見えないものを想像させるために、どんなことがこれからできるのかを考えている。地震の時に人を守るものは建物であり、自分達を苦しめる凶器にしないということが免震技術の大きな役割だと思う。そうしたことを小さな子ども達に伝え、多くの人達に知ってもらえるような活動をしていきたい」と抱負を述べた。