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【特集】CMB

カワイチ・テック、新規案件へ果敢にチャレンジ

原材料 2017-08-03

 カワイチ・テックは、ゴム関連では各種カラーコンパウンド、リボン出し、ストレーナー通しなどを行っている。

 また樹脂・プラスチック関連ではカーボンブラックコンパウンド、チタンホワイトコンパウンド、特殊機能材コンパウンド、熱硬化性機能樹脂成形品などを生産している。これらは、卓越した技術開発力が高い評価を得て製品化を実現した、ペレット形状など特殊物が大半となっている。今期の生産状況としても、樹脂及びゴムの新規案件主体に、ほぼフル稼働で推移している。

 同社では、今年度の経営方針を「挑戦~やるかやらないかでたった一度の人生が変わる」と定め、社員それぞれが高度化する顧客ニーズに果敢にチャレンジし最適製品生産に邁進している。これにより社員の意識が結集し、単に素材を練る企業の範疇を超えた、研究開発及び提案型の企業となりつつある。

 素材面に関しては、顧客ニーズの変化を受けゴム分野よりも樹脂・プラスチック分野の比率が高まりつつあり、生産量の95%以上を占めている。これらの大半が特殊案件の生産依頼となっている。一例として、複数の異種原材料を混合したペレット化に成功し、資源有効活用への貢献も期待されている。

 これら新規分野として、健康関連分野の製品開発を積極的に進め第一段として、プラスとマイナスの電極基盤採用により凝りや痛みを緩和する温圧チップの土台部分の製品化も行っている。

 このほか、飲用することで疲労回復に効果を発揮する水素粉末入りカプセル製品や、肌に塗ることでシミの除去効果を発揮する水素粉末と35種類のミネラル成分を練りこんだクリーム状の製品、ウイルス・細菌・バクテリアなどを瞬時に不活性化する次亜塩素酸水、カビ発生を抑制したシリコーンゴム製品を共同開発するなど、様々な製品の研究開発も推進している。

 これら新規案件や精練技術開発を目的に独立した研究開発企業も有するほか、産学官連携で困難な練りや新規案件にも果敢にチャレンジしている。

 この様に生産比率的にはゴム分野は年々低下しているが、新規案件として低硬度ゴムのペレット化の研究開発に取り組み、顧客の要求品質を実現している。現在はこの低硬度ゴムを応用した用途開発や、B練りの新たな加工方法なども積極的に取り組みゴム部門の新たな柱として育成する方針で、ゴムペレット化ラインの増設も計画中。

 なお同社では、これら事業活動の推進には従業員の働き方、つまりワークライフバランスの充実や環境保全との両立が不可欠とし、積極的に改革へ取り組んでいる。働き方の改革としては8月21日から3カ月間、一日の労働時間を若干延長することで金・土・日曜日の週休3日体制にする予定で、状況により継続も検討する。この週休3日制導入は、千葉県成田市内の中小規模の事業所では初のケースとなる。

 これに加え同社では、経済産業省が創設した「おもてなし規格認証2017」を5月20日付で取得した。同認証はサービスを提供するすべての事業者に高品質なサービスの提供・維持・向上を促し、より高い生産性を実現するための共通化された枠組みで、①お客様の期待を元に、共に価値を創ること②従業員の意欲と能力を引き出すこと③地域・社会と共生していくこと④継続・発展していくこと―の4項目が「おもてなし規格」の定義。同社ではこれら定義に積極的に取り組んでいることが評価され認証取得したもので、顧客はもちろん従業員の満足度も高め、より一層の製品品質向上を目指している。

 また環境保全としては、07年5月にISO14001認証を取得しているのに加え、今年7月19日付で千葉県が推進している「CO2CO2(コツコツ)スマート宣言事業所」登録を行った。これは省エネルギー対策や再生可能エネルギーの導入など、地球温暖化対策に積極的に取り組む県内の事業所を対象に登録する制度。同制度に基づき同社では毎月の電気・灯油・ガソリン・水の使用量を見える化し、CO2の排出量を計算し削減に努め、さらに廃棄物の有効利用に注力し、社員がいきいきと働く元気な会社を目指し、ワークスタイルの見直しに積極的に取り組んでいる。

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