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TPRノブカワ福島工場の見学会も

日本ゴム精練工業会、2025年度定期総会等を開催

原材料 2025-05-19

 日本ゴム精練工業会(野田明志会長=TPRノブカワ社長)は5月15日、福島県二本松市と郡山市で「工場見学会」および「2025年度定期総会」を開催した。

総会であいさつする野田会長


 当日13時30分から15時の間、TPRノブカワ福島工場(福島県二本松市)を会場に見学会が行われた。参加者は2班に分かれてマスターバッチ工場、プレス成型工場、ネオロン工場などを見学した。マスターバッチ工場は、ミキサーを地下に配置したことで、各種原材料の飛散を防止しクリーンな作業環境を実現したのが最大の特徴。これに加えカーボンやフィラー、オイルなどの自動計量装置とミキシングコントローラーを装備し、高度な品質管理を可能としている。さらにミキサーから連続的にリボン加工できるB練り装置まで安定した品質を実現するラインを配置している。参加者は、地下ミキサーから練られたゴムがバケットコンベヤで運ばれロールやバッチオフマシンなどを経て梱包されるまでを見学した。

見学会での記念撮影


 ネオロン工場は、UHFとHAV連続加硫装置を配置し、2重押出を可能としている。同ラインは混練からスポンジソリッド成型まで一貫した品質管理体制を構築、多様化するニーズに対応しているとの説明があり、どの様な形状にも対応可能かなどの質問が寄せられた。

 プレス成型工場は、成型技術を活用し、防振パッドやプレス成型の新たな分野を開拓していると説明された。

定期総会の様子


 見学会終了後、郡山ホテルハマツ(同県郡山市)に移動し16時30分から18時30分の間「2025年度定期総会」が、会員ら20社・22人が出席し開催された。冒頭野田会長が「日本ゴム工業会による今年度の新ゴム消費量予想は、前年度比微増となっているが、トランプ関税やゴム業界と関連深い自動車業界の動向などにより、今後の推移は不透明と言わざるを得ない。この様な状況下、情報交換などの重要性がますます高まっている。本日の定期総会も、この様な場として有意義に活用して欲しい」とあいさつした。総会では①2025年度役員改選の件②2024年度行事報告並びに会計報告の件③2025年度行事計画並びに予算案の件④会員異動の件⑤アンケート結果報告⑥その他の各議題審議が行われた。

 議題①の役員改選では、会長を始め全役員の留任が満場一致で承認された。

 議題②に関しては、昨年4月18日の「定期総会」、6月21日に日本ゴム機械懇話会との「意見交換会」、7月17日に東部工業用ゴム製品卸商業組合工業用品部会との「他団体交流会」、10月11日の東京ゴム薬品商同業会「90周年記念祝賀会」出席、11月14日の「研修会」および「臨時総会」などが報告された。

 議題③に関しては、今回のTPRノブカワ福島工場の「工場見学会」および「定期総会」を皮切りに、「技術研修会」として6月26日に東京ゴム薬品商同業会との共催、12月に日本ゴム機械懇話会との共催、9月17~20日にラバーテックチャイナ2025への「海外研修」、11月6日の週または13日の週に「臨時総会」、26年4~5月に「定期総会」などが予定されていると報告された。

 議題⑤のアンケート結果では、2024年度の正会員25社の集計結果が報告された。それによると同年の合計生産量は総量で7万2,958トンで前年度比92.4%となった。内訳は黒物6万4,294トンで同91.5%、色物8,664トンで同99.4%といずれも減少した。

 アンケートでは、会員企業が現在抱えている課題に関しての質問もあった。それに対して前年度で多かった「従業員教育」や「電力など用役コスト増」などの回答が減少した一方、「技術の後継者問題」、「従業員の高齢化」、「受注量の減少」、「労務費・経費増の価格転嫁」などの回答が増えた。

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