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野田明志TPRノブカワ社長が新会長就任

日本ゴム精練工業会、2024年度定期総会等を開催

原材料 2024-04-22

 日本ゴム精練工業会は4月18日、兵庫県神戸市で「見学会」、「2024年度定期総会」、「講演会」を開催した。

 当日は13時20分から15時15分の間「人と防災未来センター」(同市中央区)を会場に「見学会」を開催した。同センターは阪神・淡路大震災を記念した施設で、会員ら24人が参加した。参加者は、震災経験者が自らの体験を語る「語り部」を聴講した後、西館4階の「震災追体験フロア」から見学を開始し、「シアター」で地震破壊の状況を大型映像と音響で体験した。続いて震災直後の街並みをジオラマ模型でリアルに再現した「震災直後のまち」、復興に至るまでの課題を紹介した映像を「大震災ホール」で見た。その後、3階の「震災の記憶フロア」に移動し、震災関係資料の展示「記憶の壁」、震災直後からの復興過程を解説した「震災学習テーブル」などを見学した。2階の「防災・減災体験フロア」では、世界で今起こっている自然災害を学習する「災害情報ステーション」、防災・減災に関する実践的知識を学習する「防災・減災ワークショップ」、防災に関する企画展示「防災未来ギャラリー」を見学した。

あいさつする畑中会長


あいさつする野田新会長


 見学会終了後、ホテル北野プラザ六甲荘(同市中央区)に移動し、16時から17時30分の間「2024年度定期総会」が会員ら出席25人、Web出席4人、委任状7人で開催された。

 「2024年度定期総会」では①2024年度役員改選の件②2023年度行事報告並びに決算報告③2024年度行事計画並びに予算案の件④会員異動・担当者変更の件⑤アンケート結果報告⑥その他--の各議題審議が行われた。

 総会冒頭、能登半島地震の被災地域に立地するケースリーの小島社長がWeb参加し、「社員の住宅問題などはあるが、3月末に震災前の稼働に回復している」と報告した。

 続いて畑中会長が「精練業界を取り巻く環境としては、ダイハツ問題などによる自動車減産や、物流費高騰、為替動向など課題が山積している。この様な状況下で任期満了を迎えるに当たり、精練業界や工業会の一層の発展のために、野田明志TPRノブカワ社長に会長をバドンタッチすることにした。新会長のもと、一層の発展のために協力して欲しい」とあいさつした。

「人と防災未来センター」を見学する参加者


 議題①の役員改選の件では、次の通りの役員交代が満場一致で承認された。◇会長会社=TPRノブカワ◇副会長会社=三福工業、モルテンポリミックス◇会計会社=三福工業◇会計監査会社=ダイヤゴム化工、寺﨑ゴム工業◇理事会社=角一ゴム工業、三洋ゴム工業、シンコー、ゼオンポリミクス、デンカエラストリューション。

 今回の役員改選で、畑中康平会長(角一ゴム工業社長)が任期満了で退任し、野田明志TPRノブカワ社長の会長就任が満場一致で承認された。野田新会長就任に伴い、事務局も角一ゴム工業からTPRノブカワに移行する。野田新会長は畑中会長の前に、歴代最長の7年間会長を務めた実績からの再登板となった。畑中前会長は、理事として引き続き工業会の運営に携わる。

 議題②に関しては、23年は5月29日に「2023年度定期総会」、10月5~6日に「見学会、2023年度臨時総会」、11月17日に「第6回研修会」などの開催報告が行われた。

 議題③に関しては、本日開催の「2024年度定期総会」に加え、春に「研修会」、6月に「日本ゴム機械懇話会との意見交換会」、9月19~21日に「ラバーテックチャイナ2024海外視察」、10月に「2024年度臨時総会」、12月に「東京ゴム薬品商同業会との意見交換会」などを開催予定と報告され、満場一致で承認された。

 議題④に関しては、ゼオンポリミクス大石剛史新社長およびダイヤゴム化工尾崎航平新社長の就任や、三洋ゴム工業・TPRノブカワ・旭カーボン・大内新興化学工業各社の担当者変更が報告された。

 議題⑤の2023年度アンケート集計結果報告では、2023年度の合計生産量は総量で7万8,952トンで前年度比4.0%増となった。内訳は黒物7万235トンで同2.6%増、色物8,717トンで同16.7%増となった。工業会では合計で前年度比4%増加したものの、コロナ前の一昨年水準には戻っていないとコメントした。

 同アンケートでは、会員企業が現在抱えている課題に関しての質問もあった。それに対し、「設備老朽化」、「メンテナンス」、「人材確保」、「電力コスト」、「経費増の価格転嫁」などが課題という回答が多いとの報告があった。 

 最後に野田新会長が「以前会長を務めた際に、①ゴム産業界において存在感のある工業会にする②会員企業に対してより一層魅力ある工業会にする③需要先からより一層信頼される工業会にする--の3つの目標を掲げた。今回の再登板で、この目標を達成できるように努力したい。そのためには、会員各位の協力が不可欠であり是非ともお願いしたい」とあいさつした。

講演する加藤社長


 定期総会の後17時30分から18時30分の間、加藤進一加藤事務所社長を講師に「最近のゴム原材料のマーケット解説」と題した「講演会」が行われた。加藤社長は、大別して①最近のゴム原材料のマーケット②国際相場価格の今後は③グローバル複合危機の影響④ゴム業界の最近の動き⑤フッ素ゴム、フッ素樹脂/PFAS問題の行方――の各項目について、図表を交えて詳細に解説した。

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