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陰イオン交換樹脂「レバチット モノプラスTP109」

ランクセス、PFASを効果的に除去するイオン交換樹脂製品に新製品追加

原材料 2023-12-04

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスは、汚染水からペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物であるPFAS(有機フッ素化合物)などを効果的に除去するためのイオン交換樹脂製品に陰イオン交換樹脂「レバチット モノプラスTP109」を新しくラインアップに加え、イオン交換樹脂製品群を拡充した。

左から張谷氏、宮原氏、村上氏


 ランクセスの日本法人では11月17日、報道陣に対してイオン交換樹脂「レバチット」の優位性など説明会を開催した。

 説明会にはランクセス液体高純化テクノロジーズビジネスユニットの張谷廷河アジアパシフィック・マネージャー、村上直弘日本統括マネージャー、宮原成佳ビジネスデベロップメント・マネージャーが出席し、宮原氏がイオン交換樹脂製造の変遷やPFASへの取り組み、レバチット製品群の特徴などを説明した。

 同社によるとPFAS処理に対する選択肢としては①短鎖のPFASも効率的に除去できる、逆浸透(RO)/ナノろ過②安価だが入れ替えに難がある、粒状活性炭(GAC)③反応速度に優れるイオン交換の3つが挙げられ、なかでもイオン交換樹脂は、設備も小規模化が図れ、使用済み樹脂の交換が容易であることからコスト的にメリットがあるとしている。

 ランクセスはイオン交換樹脂を取り扱う世界有数のメーカー。すでに短鎖のPFASに効果的な「レバチットTP108 DW」や高度にPFASに汚染された水に適している「同MP62 WS」を上市しており、さらに今回マクロポーラス構造による優れた反応速度と均一な粒子径による優れた水力学的挙動を持つ「同モノプラスTP109」を追加。PFASに対する選択性が高く、イオン交換と吸着のプロセスを組み合わせることで相乗効果が期待できるとしている。

 PFASは他素材に比べ優れた特性を有する一方、環境残留性や生態蓄積性への影響が懸念されることで、欧州等で規制が検討されており、日米でもその取り組みが注目されている。

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