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【特集】ゴム用薬品・資材

協和化学工業、新開発キスマ10主体に拡販

原材料 2017-04-12

 協和化学工業(香川県坂出市)は、合成ゴムの酸受容体用途など軽焼酸化マグネシウム分野で、国内トップシェアを有する。

 最近の傾向としては、特に国内向け販売は横ばいもしくは微減傾向での推移となっている。このため同社では海外での拡販を図るため、99年設立のオランダ「キスマケミカルズ」を始め、09年には中国に「丹東松元化学有限公司」を設立するなど、現地及びグローバルな製品供給体制を構築している。この海外の状況としては、輸出及び現地生産を含めて比較的堅調に推移しており、国内需要減少分をカバーしている。さらに海外拠点の拡充を推進しており、今春には中国・上海の現地法人が営業開始の予定。

 同社は、本社・坂出工場(香川県坂出市)及び屋島工場(同高松市)に国内製造拠点を有している。これら生産拠点を活用し、同社は1966年にハイドロタルサイトの工業的合成に世界で初めて成功した。以来様々な用途に対応可能な酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムの製品構成充実化を推進している。最近では新形状の水酸化マグネシウム製品「キスマ10」を開発、樹脂補強材用途主体に拡販を図っている。この「キスマ10」は、平らな独特な形状で曲げ弾性や耐衝撃性に優れるほか、樹脂発色性を良好にする機能を有している。用途としては自動車部品、家電といった軽量化などが要求される製品に最適となっている。

 酸化マグネシウム製品「キョーワマグシリーズ」の「キョーワマグ150」及び「同30」は、高・中活性化の酸化マグネシウムで、加硫助剤、スコーチ防止剤、酸中和剤として主にCRやCSMなどの合成ゴムに採用されているほか、合成樹脂など工業用途にも実績を有している。さらに「キョーワマグMFシリーズ」の「150」及び「同30」は、純度が99%以上、平均粒子径約1マイクロメートルの高分散性酸化マグネシウム製品となっており、セラミックス原料などにも使用されている。「MFシリーズ」も、国内及び輸出案件が増加している。

 この「キョーワマグシリーズ」に特殊な表面処理を行い粒子の表面を改質した「マグサラット」も好評を得ている。同製品は、表面処理を行ったことで、合成ゴムや合成樹脂への分散性が向上している。

 協和化学工業では、顧客ニーズを的確に反映した製品開発を今後も推進し、全世界で販路拡大を図っていく方針。

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