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ポリアミド6、PBT、ガラス繊維で

ランクセス、カーボンフットプリント認証を取得

原材料 2022-10-19

 独・ランクセスは、顧客企業であるプラスチック加工業者に、同社の提供するポリアミド「デュレタン(Durethan)」とポリエステル「ポカン(Pocan)」(PBT)製品で使用される樹脂原料のカーボンフットプリント認証を取得した。

 樹脂原料のカーボンフットプリント認証は、アントワープ製造拠点でランクセスが製造するポリアミド6の前駆体であるカプロラクタムおよびガラス繊維を対象とし、公認の認証機関により行われる。ガラス繊維は必要に応じてプラスチックの強化に使用される樹脂原料。

 同数値は、製品のカーボンフットプリントに関する規格であるISO14067:2018に基づき算出。この分析には、製品がランクセスの工場から出荷される時点まで(cradle-to-gate)に発生するすべての主要な排出物を対象としている。

 直接排出(スコープ1)だけでなく、エネルギー購入に伴う間接排出(スコープ2)や、使用する原材料や輸送過程などサプライチェーンの上流で発生する排出(スコープ3)も含まれる。

 計画通りに進めば、ランクセスは2023年にアントワープに第2の亜酸化窒素還元プラントを開設し、2024年以降、ポリアミド6製造におけるカーボンフットプリントはさらに大幅に削減される予定。

 また、ランクセスはポリアミド6のカーボンフットプリントをCO2換算で3トン未満に抑えるため、カプロラクタムの原材料に持続可能な原料を使用することを検討している。この認証により、ランクセスのPBTの樹脂原料のカーボンフットプリントも他のメーカーより小さいことが明らかになった。

 ガラス繊維の製造においても、ランクセスは、他社と比較して、大幅に低いカーボンフットプリントを実現している。

 ランクセスは、プラスチックの製造において排出される温室効果ガスのレベルを低減する方法の確立に向けて、認証されたカーボンフットプリントを利用することを検討している。特に、持続可能な原材料を使用することで大きなレバレッジ効果を得られることに着目している。「デュレタンBLUE」、「デュレタンECO」、「ポカンECO」など、循環型(リサイクルやバイオベース)原材料を多く含む、あるいは従来の製品よりもカーボンフットプリントが大幅に小さい新製品群を拡充している。これらの原材料の持続可能な原料は、ISCC Plus認証(国際持続可能性カーボン認証)に従って認証されており、この認証はマスバランス法と連動しているため、最終製品に占める持続可能な素材の割合を決定し、その後、透明性のある方法で加工業者に示すことができる。

 製品の一例としては、ガラス繊維60%で強化されたデュレタン(Durethan)BLUEBKV60H2.0EFがある。このポリアミド6コンパウンドでは、原材料の92%が持続可能な代替原材料に置き換えられている。

 ランクセスは現在、ポリアミドとPBT(エンジニアリングプラスチック)のコンパウンド製品におけるカーボンフットプリントの算出を行うことを計画している。

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