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ポリエステルナノファイバー短繊維

帝人フロンティア、ゴム補強用の新製品開発

原材料 2022-04-13

 帝人フロンティアは、タイヤ、ホース、ベルトなどに使用される従来の短繊維よりも補強性能に優れ、環境負荷低減にも貢献するゴム補強用ポリエステルナノファイバー短繊維を開発した。2023年から生産を開始し、2027年度には10億円の売り上げを目指す。

 これまでの短繊維で課題となっていた、練りこみ工程での絡みやもつれによる繊維の分散性低下とそれに伴う補強効果の低減に対応。温室効果ガス排出削減を目的とした、高分子量化や表面処理などの工程削減ニーズにも応えている。

 「島」部分に高い補強効果を発揮するポリエステルファイバーを、「海」部分にはゴムと混ざりやすいポリエチレンを配置した海島複合断面にし、従来品に比べ少量で同等以上の補強効果を発現した。繊維の長さは1ミリ以下と非常に短く、絡みやもつれを無くした。ゴムと繊維が均一に分散した複合体を形成することが可能で、優れた補強効果を発現し、ゴム製品の高い耐久性を実現する。

 また、従来品と比較して高い補強効果を発現することから、繊維の強度を高める高分子化工程の削減が可能。繊維が短いため、繊維が綿状になることを防ぐ表面処理も不要だ。これら製造プロセスの削減により、環境負荷低減や温室効果ガスの削減に貢献するとともに、タイヤ用途で使用すると高弾性化と転がり抵抗の低減に繋がるため、燃費向上や騒音低減の効果も期待できる。ホースやベルト用途では、従来困難だった高弾性率と優れた耐久性の両立が可能となる。

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