【特集】合成ゴム
昭和電工、国内CRの値上げ検討
原材料 2016-12-23
昭和電工の16年12月第3四半期(1―9月)業績におけるCR(クロロプレンゴム)事業は、フル生産・フル販売に近い状況となり高稼働を維持した。ただ、販売量は堅調だったものの、円高の影響により、収益面では前年同期比で苦戦を余儀なくされた。
出荷のうち、国内は前年同期比で微減。一方、海外は堅調に増加し、国内の減少分を補った。地域別でみると、アジア地域、欧州地域は前年同期比横ばいだったが、北米は好景気を背景に順調に推移した。
同社では、アジア、欧州向けCRの価格を11月16日出荷分から値上げした。値上げ幅はトン当たり430ドル/380ユーロ(値上げ幅は地域や顧客によって異なる)。今回の値上げについては、「足元のブタジエン価格が高止まりしており、コストアップ分を自助努力で吸収できない状況となっている。CRの安定供給維持のため、今回の値上げを決定した」(昭和電工)としている。
CRの通期については、第4四半期(10―12月)も高稼働を継続しており、順調な北米向けを中心に数量面では堅調を維持できる見通し。「円高とブタジエン価格の高止まりが課題。当社では1月から期が変わる。来期の計画には値上げの浸透も加味されているので、値上げはしっかりと進めていかなくてはいけない。市場を見ながらにはなるが国内価格の値上げも必要で検討中」(同)としている。
CPE(塩素化ポリエチレン)事業についても、出荷は堅調に推移している。また、CPEの販売は日本が中心となることから、円高の影響もそれほど受けなかったという。
現在、CPEメーカーは同社を除くと中国メーカーのみという市場構造になっている。同社では、中国品ではカバーできない品質や特性をアピールして拡販を行っていく。
CPEの今後の戦略としては、「生産キャパに若干の余力があるので、難燃コンパウンドなど差別化できる製品を中心に拡販を行い、稼働率の向上に繋げたい。ニッチかつ高付加価値の付けられる分野で、配合技術を武器に戦っていく。まずは日本のニーズをしっかり取り込んだ販売を行い、余力は海外で売っていく」(同)という。
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