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【ザ・プラントウォーカー】

三福工業のマザープラント「福島工場」を行く

原材料 2016-09-30

目下の課題は「倉庫」

 第4工場を軌道に乗せることを最優先事項と位置付けている三福工業。目下、ハード面の課題は新たな「倉庫」だ。福島工場では毎日およそ20トンの製品が出荷され、また、使用する原料も入ってくる。第4工場が本格的に稼働することになれば、在庫・原料とさらにスペースが必要になり、生産計画もより複雑なものになってくる。また、近年ではユーザーへの納期対応もよりタイトになってきている。同社ではこうした状況を鑑み、第4工場が軌道に乗り次第、敷地内に新たな倉庫の建設を検討したいとしている。

坂入工場長に聞く

 福島工場では現在、40人の従業員が働いている。平均年齢は31歳と若く、福島工場の舵を取る6代目工場長の坂入雄一さんも35歳と若い。坂入工場長は本社工場の技術部でカーボンマスターバッチのコストダウンや新製品開発などに携わった後、2006年10月に福島工場に異動し、2014年4月に工場長に就任した。坂入工場長に福島工場の“いま”と“これから”を聞いた。

坂入工場長

坂入工場長


 ■人員について
 「従業員の多くは田村市や郡山市の地元採用がほとんどです。勤務は3直(1直8時間)で3交替。土日は休みで、平日は立ち上がったばかりの第4工場以外は24時間稼働しています。第4工場を立ち上げたので、来年も5人ほど新入社員を入れる予定です。ただ、最近は少子化のため、人材の確保が難しいです」

 ■人材教育について
 「当社では1年間のトレーナー制度を設けており、新入社員1人に対して1人トレーナーがつき、教育を行います。最初の1年では基礎となる第1工場、第2工場の仕事を覚えてもらいます。翌年には第3工場、第4工場の仕事と、ステップアップしていきます。2013年に新設した第3工場は、ようやく作業をできる人が増えてきたという感じです。将来的にはどこの工場に配置されても仕事ができる『多能工』になってほしいと思っています」

 ■福島工場にとっての課題は
 「第一に『安全』、次に『管理』が課題だと考えています。安全はすべてに優先されます。どの工場に配置されても、安全に係わる規律は遵守するよう徹底しています。管理については、生産、品質、人員など対象はさまざまです。例えば、福島工場では一部を除いて原料の管理を人の手でやっています。この工程をシステム化して、バーコードで入荷から出荷まで一元で管理できる体制にしたいと考えています。これから第4工場が本格稼働することを考えると、人の手による管理がますます難しくなると思いますので、早急に取り組みたいです。あとは5Sの徹底です。福島工場では工場見学希望者を積極的に受け入れていますので、見学者の方にキレイで安心・安全な工場であることをアピールするために日々の清掃は欠かせません。また、製造品目が変わるごとに行うラインの清掃も重要です。いかに効率的に徹底的に清掃を行えるか常に意識しています。例えば1回の清掃に掛かる時間を1-2時間短縮することができれば、年間を通じて大変な生産効率の向上に繋がります。5S活動にゴールはありません。素晴らしいシステムを作り上げても高性能な清掃設備を導入しても、結局運営するのは人ですので、常に一人ひとりが意識していることが重要です」

 ■三福工業のアピールポイントは
 「当社は福島工場だけでなく、全社的にみても平均年齢が36歳と若く、のびのびと仕事ができます。私も含めてですが、これから組織を作っていくということがやりがいに繋がってくるのではないかと思います。全社的に風通しも良く、若い従業員の意見もよく聞いてくれますし、アドバイスもしてくれます。こうした企業風土はこれからも受け継いでいきたいと思います」

(ラバーインダストリー9月号から)

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