【ザ・プラントウォーカー】
三福工業のマザープラント「福島工場」を行く
原材料 2016-09-30
樹脂黒物の第3工場
第3工場は樹脂黒物コンパウンドを製造している。生産能力は月産200~250トンで、最大300トンまで可能。カーボンブラックなどの粉体を原料として使用するため、建屋には集塵装置を設置し、また粉体を清掃しやすい工夫も施している。現在はより清掃を徹底するため、内部壁面にステンレスの貼り付けを行っている。建屋は4階建てで、4階から原料を投入、3階で添加剤や薬品類を加え、2階で混練、1階で押出し・ペレット化と、効率的な構造になっている。樹脂黒物は他メーカーとの競争が激しく、受注獲得合戦が繰り広げられている。同社では、工場見学の積極的な受け入れ、製品品質および顧客満足度向上の取り組みを行い、ユーザーが安心して同社製品を使用してもらえるようアピールを強化している。
TPEコンパウンドの第4工場
第4工場は主にオレフィン系TPEのファイナルコンパウンドを行う工場。生産能力は月間約120トンを見込む。大手石化メーカーや成形メーカーが製造するには難しい多品種小ロット品の受託を狙う。下期からの本格稼働を予定しており、5年以内にはフル稼働に持っていきたいという。第4工場では原料を2軸のスクリューで熱を加えながら混練し押し出す。押し出されたものはカットしペレット化され、水の力で集め、遠心脱水機で脱水し、自動梱包され、出荷を待つ。白物ライン、黒物ラインできっちりと動線は分けられており、混ざり合うことはない。どのような要望にも応えられるよう、万全の体制を整えている。
第4工場が今後のカギに
新設した第4工場の動向が福島工場の今後を左右する大きなカギになる。TPEコンパウンドでは最終的に数種類の原料を使い、製品化するが、それにはどうしても中間体(前練り)部分が必要になる。福島工場ではこの中間体を第2工場、第3工場を活用することで同じ敷地内で調達することができる(ブロック状のゴム原料をペレット化することなども可能)。これは、依頼する側にとってはそれぞれの原料を違う場所から持ってくる必要がなくなるため、運賃などのコストダウンにつながり、また、三福工業側では、第2工場(高機能樹脂コンパウンド)、第3工場(カーボンマスターバッチ)を活用してもらえるという相乗効果を生む。独立系のコンパウンダーで、大型のバンバリーミキサー、押出し機、中間原料を持ち、なおかつファイナルコンパウンドまで行えるというビジネススタイルを構築しているのは日本では三福工業だけだ。同社ではこの利便性を武器に、量産実績を積み上げ、大手石化メーカーを中心にアピールを強化していく方針だ。
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