【特集】ゴム薬品・資材
17年の有機ゴム薬出荷、前年比7.3
原材料 2018-03-26
原材料素材のゴムだけではゴム製品の弾性や補強性などの特性は得られない。可塑性の原料ゴムに弾性を与え安定させる加硫剤、加硫時間を短縮する加硫促進剤、ひび割れなど劣化を防ぐ老化防止剤、ゴム製品の強度を上げるカーボンブラックなどの補強剤といった、大別して有機系と無機系の多くの薬品や資材がゴム製品生産に使用されている。
ゴム用薬品・資材各社の状況としては、最近の原材料価格や燃料価格の高騰、物流費など諸経費が上昇しているのに加えて、設備維持費用の増加などが負担となっている。各社はこれらコスト上昇要因は自助努力での吸収の範囲を超えているとし、製品価格の改定を相次いで表明している。
このゴム用薬品・資材の代表的なものとして多量に消費されているのが、有機系の加硫促進剤と老化防止剤。この有機ゴム薬品の需要動向としては、統計が発表されている2017年1-12月の出荷量は1万7,378トン、前年比7.3%増と前年の1.6%減のマイナス成長からプラスに転じた。月別の状況としても、2016年7月までは毎月2桁減程度で推移していたが、ゴム製品の生産が回復したことを受けて同年8月以降は増加傾向で推移している。
一方無機ゴム薬品には、加硫剤として最も一般的な硫黄を始め、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、カーボンブラックなど数多くの種類がある。これらの製品は、加硫剤、加硫促進助剤、補強剤、着色剤、難燃材用途など多岐に亘り使用されているほか、1種類で複数の効果効能を有する製品も多い。
有機及び無機ゴム用薬品は、ともにゴム製品生産に不可欠な製品であり、各社は顧客のニーズに的確に合致した新製品開発や、既存製品のバージョンアップなどに注力している。
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