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「APLC」活用し多様なニーズに対応

誠和化工×北川鉄工所、『できない』ではなく『まずやってみる』をモットーに

工業用品 2023-07-10

 誠和化工(本社=大阪府東大阪市)は、1970年7月の創業以来、工業用ゴムパッキンを中心に、建材用シーラー、産業用資材、精密機器ケース内装材など、様々な製品を製造している。

誠和化工が導入した北川鉄工所のウォーターカッター「APLC」


整理整頓された社内


 同社の瀬部浩志社長は、今年2月に北川鉄工所(広島県府中市)製の「ウォーターカッター APLCシリーズ」を導入した。現場の第一線を担う坂元工場長らと共に、超短納期対応に注力している。

 ■誠和化工の事業について 
 東大阪で長年事業を営む同社は、メーカーや同業者、商社など、誰に対してもオープンで親しみやすい会社として知られている。瀬部社長に話を聞いた。

 「もちろん、常に順風満帆というわけではない。1974年には、漏電が原因で工場が全焼するという、苦難の時期もあった。しかし、得意先や仕入先、地域の方々など、たくさんの方からの支援で再興できた。今でも本当に感謝している。あの一件が、顧客や取引先などを大切にするという当社の企業姿勢の契機となっている。当社の製品は、見えないところで使用されている物がほとんどで、工業・産業を支える縁の下の力持ち的な存在といえる。微力ではあるものの、社会に貢献できる企業であり続けたい」

 なお、同社は顧客からのどんな困難な依頼にも、『できない』ではなく『まずやってみる』をモットーに、挑戦する姿勢を大事にしている。

 ■誠和化工の製品について
 同社では主に①工業関連=絶縁フィルム、各種スポンジ材パッキン他②建設資材関連=緩衝材、気密材他③精密機器関連=精密機器用ケース内装材他――などを製造販売している。

 最近の主力製品について、坂元工場長は「建築資材関連の加工が40%位を占めている。最近は硬度の高いゴム板の製品が増えており、大阪では、すぐ欲しい、明日欲しい、なんて無茶な注文はよくあること」と笑顔で話す。

 また同社はEPDMやCRの硬度90度、低硬度のPUなど専門性の高い材料をある程度保有しているところも強みの一つ。「ウォータージェットを活かし多種多様な製品の短納期対応に注力したい」(瀬部社長)。

 ■ウォータージェット導入のきっかけ
 「サッシ用戸当たりゴムなど建設資材関連の扱い比率が増えるに従い、既存の加工機だけでは対応しきれない課題を感じていた。そんな時に北川鉄工所のウォータージェットを知り、テストカットを依頼したところ、今まで加工できず失注していた物が加工できたため、導入を決定した」(同)

 ■ウォータージェット導入の効果
 「硬度90度のゴム材を自社で切れるようになったことが一番大きい。また、以前から要望の多かった1ミリ刻みの穴あけや微妙な形状のR加工も、顧客の仕様通りの加工ができるようになった」(同)と話す。

 なお同社では、従来から工場内の品質管理・整理整頓にも積極的に取り組んでいる。ウォータージェット導入で、端材や削りカスなどの発生が大幅に減少した。これにより作業環境が改善されたこともウォータージェット導入の効果となっている。

 ■今後の展開について
 「建築用の高硬度ゴムのラインアップは多く揃えているが、他にも短納期の要望が増えてきている。多種多様な材料に対応できるようにしていきたい。オリジナル製品も開発したい」(坂元工場長)

 「工業用やプラントの設備関係も視野に入れているので、ウォータージェットをもっと活用していきたい。自社製品も何かおもしろい物ができるのではないかと思っている」(瀬部社長)

 誠和化工への問い合わせは電話=06・6724・7727まで。

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