PAGE TOP

16年度は増収増益、主力のライニング事業は50%増収

【インタビュー】王子ゴム化成 中村壽昭社長

工業用品 2017-03-07


 ■17年度の業績計画
 売上高は44億9,000万円で、ほぼ前期並みの計画。ゴムライニング事業は前期並み。ホース事業はマリンホースのメンテナンスが増えるので増収する見通し。押出製品も若干増収すると予想している。

 懸念しているのは原材料価格の高騰だ。16年度は低位で安定していたので増益要因になった。今年は逆に利益圧迫要因になるだろう。物流コストの影響も深刻だ。

 ■海外拠点の状況
 16年は中国とタイの2拠点とも業績が良くなかった。中国工場はライニングとホース、プレス成型品を生産している。ライニングに関しては、タンクや配管の製缶も生産している。中国工場に関しては、工場用地が商業地区に変更されるため、移転する予定だ。中国政府が用意した代替地も決まっており、近いうちに移転する。

 タイ工場はライニングとホース、プレス成型品を生産している。原油掘削用部材の生産・販売が主力だが、それが近年減少傾向にある。ピーク時に比べ、現在は10分の1程度に減少している。タイからは東南アジアや欧州に製品を供給しているが、最近はベトナムでライニングが増加している。

 ■経営課題
 老朽化している本社工場設備の更新が課題だ。当社は昭和32年に創業し今年2月に60周年を迎えた。本社工場は、それ以前に同所で操業していた、中国護謨、大日本護謨というゴム製造会社から引き継いだものだ。中国護謨の創業は大正12年(1923年)なので、工場は94年前から操業している建屋が一部ある。古い設備も多いので、いろいろと改修する必要がある。

 人材確保と育成、技術の伝承も重要な課題だ。昨年の4月からコンサルタントを入れて品質マネジメントシステムであるQMS改善にも取り組んでいる。また能力評価制度の導入も進めている。

関連記事

人気連載

  • マーケット
  • ゴム業界の常識
  • 海から考えるカーボンニュートラル
  • つたえること・つたわるもの
  • ベルギー
  • 気になったので聞いてみた
  • とある市場の天然ゴム先物