大深度、高水圧環境に適す
王子ゴム化成、水膨張ゴムの用途開拓進める
工業用品 2023-09-25
王子ゴム化成は、水膨張ゴムの用途開拓を進めていく。シールドトンネル用のシール材やコンクリート打継用の止水材などとして高い評価を得ているが、「ホームページなどを通じ、当社の思いもよらない用途で受注することがあり、当社が探しきれていない用途はまだある」(宮森康行社長)として、開拓を進めていく。
水膨張ゴムは耐久性、耐候性、耐熱性に優れ、大深度、高水圧環境に適している。水に接触すると体積が膨張し、目地・打継部の漏水を防ぐ。国内外での納入実績も豊富で、長期にわたる止水性、耐久性が高く評価されている。
道路、鉄道などの交通用トンネルや、調節池(洪水の一部を一時的に貯め、下流側の氾濫を防ぐための地下トンネル)のシールドトンネル工事のシール材として採用されている。コンクリート打継用の止水材としても土木・建築関係で実績を上げている。「調節池などの整備に伴うシールドトンネル工事は今後も国内で続いていくとみている。また、防災対策における止水材としての用途開発を促進し、土木関係、防災対策での実績を積み上げていく」(同)。
水膨張ゴムはソリッドだけでなく、UL94燃焼試験「HB(遅燃性)」相当の耐燃性を持つ発泡(スポンジ)系シール材も有しており、幅広いニーズに対応できる。
「当社はゴム・樹脂ライニング、ゴムホース、ゴム・樹脂押出製品、ゴム型物製品の4部門で様々なユーザーと取引があり、信頼を築いてきた。部門間の横の広がりを活用し様々な情報を得るとともに、ユーザーの困りごとを共に考えることで、従来ユーザーでのさらなる信頼の獲得だけでなく、新たな用途展開も可能と考えている。一品一様は当社の強みの一つだ。そうした強みも生かしつつ、ユーザー個々の要望に対応していきたい」(同)。
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